国内男子ツアー「つるやオープン」最終日(27日、兵庫・山の原GC山の原C=パー71)、首位に2打差の3位でスタートした藤田寛之(44=葛城GC)が67をマーク、13アンダーで並んだ朴相賢(31=韓国)とのプレーオフを制し、復活の通算16勝目を挙げた。

 昨年はオフのトレーニング中に左肋骨を骨折。十分な調整ができないまま臨んだ2度目の「マスターズ」では最下位の92位で予選落ちした。成績が上がらず、6年ぶりに優勝のないままシーズンが終了。賞金ランクも25位と前年の賞金王としては不本意な1年を過ごした。

「言うほど悪かったとは思わないんですけどね。周りがつらそうだなと思っている、その雰囲気の方がつらかった」

 復活を期して臨んだ今季は体も、技術も改めて作り直してきた。「いい時に戻そうと思っても戻せないのがゴルフ。戻りたいではなく、もっとうまくなりたいという気持ちが強かった」。衰え知らずの向上心が復活の原動力だった。

 40代での10勝はツアー史上5人目。尾崎将司、青木功らに続く快挙に「自分はまだまだだと思うんで、もっとゴルフを追求していきたい」と話した。

 目指すは3度目の「マスターズ」出場だ。一昨年と同じような活躍が求められるが「一つひとつ、目標をクリアした先にそれがあると思う。まずは2勝目ですね」。プレースタイルと同様、堅実にオーガスタへの階段を上っていく。