男子ゴルフ世界ランキング19位の松山英樹(28=LEXUS)がプロ転向後、自身初の試みも取り入れた〝新チーム松山〟を結成した。2021年初戦「セントリー・チャンピオンズ」(7日開幕、ハワイ州カパルアリゾート・プランテーションC)から始動。気分一新、新体制で4季ぶりの米ツアー優勝を目指す。

 例年、前年度のツアー優勝者のみで争われる今大会への出場は、松山にとって3年ぶり。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年の試合数が少なかったため、今年は「ツアー選手権」(昨年9月)の出場者にも出場資格を拡大したことによるものだ。

 同大会は成績上位者30人のみが出場できるシーズン最終戦で、松山は昨年まで7年連続出場。トップ選手としての力を証明する活躍を続けているものの、優勝から遠ざかっていることが、これだけでも分かる。

 ファンも待ち望む米ツアー6勝目、さらにメジャー初制覇へ、今年は新たな挑戦の年となる。昨年から良好な関係を築いてきた目沢秀憲コーチ(29)と近く契約を結ぶ見通し。同コーチは河本結(22=リコー)らも指導しており、日本と米国の男女ツアーを行き来しながら、松山をサポートすることになりそうだ。

 松山が正式にコーチを迎え入れるのはプロ転向後初めて。今大会には同行していないが、すでに信頼関係が構築できており、大きな後押しになるのは間違いないだろう。

 さらにチームには新たなトレーナーも加わった。今大会には過去にプロ野球の西岡剛(36)らを担当した岩井幹雄トレーナーが同行。米ツアー参戦当初から松山とコンビを組んできた飯田光輝トレーナーは「常時、行動をともにする形ではなくなりますが、チームを離れたわけではありません。米国に行く機会もあるはずです」(ツアー関係者)。

 細かな役割分担は不明だが、今年は2人のトレーナーが松山をサポートする力の入れよう。目沢コーチを含め、チームの顔ぶれが変わることで、雰囲気にもおのずと変化があるはずだ。

 今大会の翌週には続けてハワイ開催となる「ソニー・オープン」(14日~)に出場。その後は16、17年に2連覇を果たした「フェニックス・オープン」(2月4日~)などを経て、今季2度目の開催となる海外メジャー「マスターズ」(4月8日~)に向かう。

 現在、米ツアー5勝の松山が最後に優勝したのは2017年8月の「ブリヂストン招待」。昨年末に出席したイベントで「来年は本当に勝ちたい。早く〝6〟にしたい」と鼻息を荒くさせていたのも、新体制への手応えからなのか。今年こそは優勝を期待してもよさそうだ。