【日本シリーズJTカップ】深いラフに飛んでも笑顔…石川遼「納得の一打」を徹底解説

2020年12月05日 05時15分

クラブをここまで短く持った9番の2打目

 快挙達成なるか。ゴルフの国内男子ツアー年内最終戦「日本シリーズJTカップ」2日目(4日、東京よみうりCC=パー70)、史上6人目の連覇を狙う石川遼(29=CASIO)は70と伸ばせず通算3アンダーのまま。首位とは5打差に広がったものの、順位は1つ上がって7位に浮上した。〝会心の一打〟に手ごたえを感じる場面もあり「チャンスはある」と逆転Vへ虎視眈々だ。

 石川は9番パー4の2打目でアイアンを目いっぱい短く、右手はシャフトに触れそうな位置で握った。ボールはグリーンに届かず深いラフにつかまったが、笑顔。その理由について「納得いく球が打てたので」と話したショットの詳細とは、このようなものだった。

「アゲインストが強かったので、クラブを短く持つことで『逆しなり』しないようにしたんです。そのことでロフトが立ったままインパクトして、スピンを減らすようにしました」(石川)

「逆しなり」とは、静止状態では一直線のシャフト(クラブ)がヘッドが先行するようにしなること。ゴルフのスイングでは切り返しでヘッドが遅れるようにしなり、これが戻ろうとすることでパワーを生む。プロのようにクラブを振るスピードが速いと、ボールを打つ前にヘッドがシャフトを追い越して「逆しなり」の状態になることがある。

 そのままインパクトすると、ロフトが本来より寝た状態で打つことになり、バックスピンも必要以上に増えてしまうため、いわゆる「吹き上がった」球になって、特にアゲインスト時は大幅に飛距離が落ちる。そうならないことを狙って、この日、一度だけ極端に短く握って打ったショットは〝会心の一打〟だった。

「突風が吹いた」(石川)ためグリーンには届かなかったが、きっちりパーセーブ。7、8番に続いて3連続ボギーになりかねないピンチをしのぐと、後半に2つ伸ばした。

 2日目にグリーンを外したのは他に3回で、パーオン率78%は全体の2位。納得のショットが打てたことでその精度をさらに高め「ショットが修正できれば(逆転Vの)チャンスはある」と連覇はあきらめていない。

 ちなみに、石川のようにクラブを短く持って吹き上がりを防止することはアマチュアにも有効なので、試してみる価値はある。