松山英樹(22=LEXUS)が20日、東北福祉大学の卒業式に出席した。晴れて学生プロからプロゴルファーとなって臨む次戦はゴルフの祭典「マスターズ」(4月10日開幕、ジョージア州オーガスタ)。アマチュア時代の2度の出場と同様に、米ロサンゼルスで調整して挑む。“ロス経由オーガスタ”の意図とは――。

 同級生から次々に写真撮影を求められ、学長賞を受賞するなど、松山は卒業式でも堂々の主役だった。髪はオールバックにまとめ、ゴルフ部の阿部靖彦監督が選んだという銀の羽織はかま姿。「なかなか着る機会はないので」と派手ないでたちを楽しんだ。

 昨年終盤に左手首を痛め、今年に入っても米ツアーで欠場があったが、帰国後に全身くまなく検査を受けたという。状態は良好で、阿部監督は「手首を含めて問題ない。仙台に戻ってからは後輩たちと練習している」と明かした。

 次の試合は現時点では日本人で唯一の出場となる「マスターズ」。松山にとっては特別な思い入れのある試合だ。大学1年だった2010年の「アジアアマ選手権」を制し、翌年の出場権をつかんだが、1か月前に東日本大震災が発生。出場が危ぶまれた。

「オーストラリア合宿で仙台にはいなかったけど、テレビで信じられない光景を見た。出場できるようにサポートしてくださった大学関係者の方には今でも感謝している」。卒業式後の会見で改めて当時を振り返った。

 今回は12年以来、2年ぶり3度目の出場。プロとしては初めての出場で選んだのはアマ時代と同じ参戦スケジュールだ。大会2週間前にロスに入り、苦手な時差を調整。オーガスタには大会開幕の1週間前に入るプランだ。ロスでの練習も同じコースを使用する。実際、このスケジュールで11年ローアマ、12年も予選通過と結果を残してきた。現状では“ロス経由オーガスタ”が松山に最も合う参戦過程ということだ。

「自分が頑張ることで少しでも被災者の方を勇気づけられたらという気持ちはこれからも変わらない。上位を目指して頑張りたい」。もちろん、アマ時代以上の結果を残すつもりだ。