国内女子ツアー「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」(14日~、高知・土佐CC)に向け、斉藤愛璃(24=程ヶ谷CC)が12日、会場で調整した。昨季は賞金ランク89位でシード陥落。今大会の出場権もなかったが、先週の開幕戦2位に滑り込み、ギリギリで出場をつかみとった。復調なった屈指の美女ゴルファーが定めた目標はシード復帰ではなく、ツアー2勝目だ。

 2012年シーズンの序盤、話題をさらったのは斉藤だった。実質ツアー1年目の開幕戦「ダイキン・オーキッド・レディース」でいきなり優勝。美人プロとして一気に注目を集めた。しかし、その後の成績は低迷。昨季でシードを失い、QTでの優先出場資格も47位で、今季は20試合前後の出場となる見込みだ。

 今大会も出場は厳しかったが「(開幕戦が行われた)沖縄に行くと調子が良くなるみたい」と先週の「ダイキン」は久々の優勝争いの末に2位。直前の試合で3位以内の資格で出場にこぎつけた。

 ギリギリで出場が決まったため、まずは宿の予約で苦戦した。会場付近はホテルも限られているため、多くの選手は「来年もお願いします」と1年後の予約を入れて高知を後にする。斉藤はコースまで1時間ほどかかる離れたホテルしか押さえられなかった。それでも「『選手です』と言ったら『検討します』と言われて…」。前日になって、ようやくコース付近のホテルの予約が取れた。

 まだ初戦が終わったばかりだが、復調の要因は体のケアやトレーニングに時間を割いてきたこと。「トレーニングはそれまでもやっていたけど、夏場以降は疲れてできない日も多かった」。体力的に厳しいときには練習を早めに切り上げてでも、トレーニングを欠かさなくしたことで、スイングが安定。「2年かかって、やっとシーズンの戦い方が分かってきた」。

 復活へ確実に手応えを感じている。まずは限られた試合の中でシード復帰を目指すのかと思いきや「目標は優勝です」ときっぱり。「昨季は大叩きしないことを考えてプレーして波は小さくなったけど、それでは優勝を狙うようなアンダーは出せない」。攻めるべきところではきっちりと攻める――。これが新たな斉藤のスタイルだ。

「優勝したときもうまかったんだろうけど、あの時は勢いだけだった。今の方が成長していると思う」。再び大きな注目を集める日は決して遠くはない。