【ジョージア州オーガスタ14日(日本時間15日)発】ゴルフのメジャー「マスターズ」(オーガスタナショナルGC)3日目は、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(36=米国)が1イーグル、5バーディーで初日に続いての65。通算16アンダーまで伸ばして4打差の首位に立ち、2016年の「全米オープン」に続くメジャー2勝目に王手をかけた。最終日の注目は「270の壁」を破れるかどうかだ。

 3日目のジョンソンは、2番パー5で残り222ヤードの2打目を60センチにつけてイーグルを奪うと、この後も5バーディーで初日に続いての65。圧巻のゴルフで通算16アンダー。

 54ホールを終えて通算200ストロークは、2015年大会を制したジョーダン・スピース(27=米国)に並ぶ大会の最少ストロークだ。「明日もこの調子を崩さず、スマートなプレーができるようにしたい」と話したジョンソンは「65」のスコアを複数回記録して優勝となれば、史上初の快挙。

 最終日はスピースと1997年にタイガー・ウッズ(44=米国)が記録した通算18アンダー(270ストローク)の更新がなるかも注目される。

 15年のスピースは、今回のジョンソンと同じく4打差の首位から最終日をスタート。この時もウッズの記録更新に期待がかかる中、1、3番でバーディーを奪ってあっさり18アンダーとしたものの、5、7番でボギーを叩いてスタート時の16アンダーに戻る。

 8番と10番でバーディーを奪って再び18アンダー。その後、12番でボギー。13番はバーディーと一進一退の展開が続いたが、15番パー5でこの日6個目のバーディーを奪うと、ついに「マスターズ」史上初めてスコアを19アンダーに乗せた。

 この時点で2位のジャスティン・ローズ(40=英国)と4打差がつく。だが優勝よりもウッズの記録を更新することへの緊張感からか、16番パー3のティーショットは引っかけてしまう。ここは何とか寄せてパー。17番パー4はバーディーパットが惜しくも決まらずのパーで、いよいよ最終18番へ。

 注目のティーショットは右へ。林に入ることは免れたもののグリーンは狙えず、2打目は花道へ運んだ。アプローチは5メートルほどオーバー。そして記録のかかったパーパットは右に切れてカップ横を通り過ぎてボギーでのフィニッシュとなった。パットを決めまくり、この年は6月の「全米オープン」にも勝ったスピースらしからぬ外し方。

 54ホールで16アンダーまで伸ばせば、18ホールであと3つ以上伸ばすのはそれほど難しくないように思えるのが、何かの呪縛にかかったように、タイ記録の18アンダーにしては落とし、残り3ホールで19アンダーにしながらも最後の最後のボギーで記録更新を阻まれた。

 ゴルフ界の歴史を変えたといえる97年のウッズの優勝スコアを塗り替えることができるのか。秋開催。無観客と、史上初の事態が重なった異例の大会で、新たな歴史が刻まれるかに注目して最終日を見ると、おもしろい。