ダンロップスポーツは10日、契約する松山英樹(28=LEXUS)らが使う「Z―STAR」シリーズボールの新モデルを来年2月5日から発売開始することを発表した。その中には発売期間わずか数か月の〝超短命〟に終わるかもしれないモデルがある。これはいったい、どんなモノなのか?
新モデルのラインアップはこれまでと同じ「Z―STAR」「Z―STAR XV」の2種類。そして新たに「Z―STAR ◇」(ダイヤモンド)が加わった。
この「ダイヤモンド」がターゲットにしているのは「200ヤード先のグリーンを狙って、しっかりスピンをかけて止めたいゴルファー」。この時に使うクラブとして想定しているのは5か6番アイアンだという。
ヘッドスピードにすると、目安としてドライバーで秒速50メートル前後は必要。一般ゴルファーでこの速さでドライバーを振れて、なおかつアイアンで200ヤード先のグリーンにただ乗せるだけでなく、ピンを狙う実力の持ち主となると数%もいないと思われる。
そのため、一般ゴルファーのニーズに応えたモノではなく、米ツアーのトップ選手たちの要望に応えるために開発されたボールだ。
販売見込みも、これから受注を受けるため、未知数。通常ではあり得ないほどターゲットが絞られているため、数量限定の「テスト販売」という位置づけで、場合によっては発売開始から数か月で販売終了となる〝幻のボール〟となることもメーカー側は想定しているという。
そう聞くと試したくなるのがゴルファー心理だが、前述のヘッドスピードがないと特性の恩恵は受けられない。
価格は「オープン」だが、実勢販売価格は前作(1ダース税別6300円前後)と同程度の見込み。
大手メーカーがここまでニッチな商品を出すのは極めて異例。果たしてどれぐらい売れるのか。