【マスターズ】芹沢信雄がV候補を分析 無観客&無歓声はウッズとミケルソンに影響

2020年11月10日 11時30分

昨年はパトロンの大声援を受け、14年ぶり5度目の優勝を果たしたウッズだが…(ロイター)

 異例中の異例、11月開催のゴルフの祭典「マスターズ」(ジョージア州・オーガスタナショナルGC)が12日に開幕する。連覇がかかるタイガー・ウッズ(44=米国)、9月の「全米オープン」を制したブライソン・デシャンボー(27=同)、そして、直前の試合で2位と調子を上げてきた松山英樹(28=LEXUS)…。いつもと違う祭典がどんな戦いとなるのか? 長年、現地でテレビ中継に携わってきた芹沢信雄(61=TSIグルーヴアンドスポーツ)が占った。

 新型コロナウイルスの影響で例年の4月開催とは違う形で行われる今年の「マスターズ」の大きな特徴の一つが無観客での開催だ。主催者はギャラリー数を公表していないが、多い日には5万人以上とされるパトロンがいきなり「0」になる。

 今年は日本のスタジオからの解説となる芹沢は「初めてオーガスタに行ったとき『あそこが1番ティーで、あっちが9番グリーン』と説明されましたが、広場のようですぐには把握できませんでした。練習日になってパトロンが入ると、これがはっきり見えてくるんです」。コースが広く見えるため、狙いがぼやける選手もいるかもしれない。

 それ以上に大きいのはあの熱狂がなくなることだ。「すでにツアーで無観客を経験しているとはいえ、歓声がない『マスターズ』は特殊でしょう。タイガー、(フィル)ミケルソンのようなパトロンに愛されるスーパースターほど影響があると思います」

 昨年の最終日、ウッズが大声援を背に逆転Vを果たしたのに対し「同じ組のフランチェスコ・モリナリはやりにくそうに見えました」。スコアにどれだけ影響するかは分からないが、連覇を狙うウッズには無観客がプラスに働くとは考えにくいという。

 さらに芹沢は「今年は林からのショットが増えるかもしれません」と推測。パトロンや彼らの荷物に当たって、ボールが止まることがなくなるためだ。オーガスタで有利とされる飛ばし屋ほど影響を受ける可能性大。SNSで初めてキャリーが400ヤードを超えたことを投稿したデシャンボーはなおさらだろう。

「試合で実際にそれだけ飛ばせれば、パー5は実質すべてパー4。真っすぐ飛べば、間違いなく有利ですが、もろ刃の剣になる可能性もあります」

 1番パー4で右のバンカーを越えて右にいけば、大トラブルとなる可能性大。左ドッグレッグの2番パー5は「右のバンカーからドローで攻めるのがセオリーですが、デシャンボーの飛距離だと、ドローというよりフックが必要でしょう。仮に曲がらずにバンカーを真っすぐ越えていった場合、他の選手が誰も届かない林に入ります」。

 それ以降のホールも同様。バンカーはハザードであると同時に林に入るようなボールを止めてくれるエリアでもある。ひとたび曲げれば、デシャンボーはパトロンだけでなくバンカーの“助け”も借りられないというわけだ。

「ゴルフがあまりパワー系になり過ぎるのはつまらないのではないかと思います。オーガスタはパワーだけでは攻略できない、そんなコースだと思っているんですけどね」

 逆にデシャンボーが「全米オープン」に続いて、パワーでオーガスタをねじ伏せるとなれば、ゴルフの未来を変えるような「マスターズ」になるかもしれない。