【カリフォルニア州ランチョミラージュ10日(日本時間11日)発】ゴルフの米女子メジャー「ANAインスピレーション」(ミッションヒルズCC=パー72)初日、渋野日向子(21=サントリー)は4バーディー、2ボギーの70で回り、19位で発進した。今季はこれまで日米両ツアーの3試合すべてで予選落ちしたが、今大会からパットのグリップをクロスハンドにしたことが功を奏して初のアンダーをマーク。復活の兆しを見せた。

 6アンダーのネリー・コルダ(22=米国)が首位。日本勢は畑岡奈紗(21=アビームコンサルティング)も2アンダーで19位。河本結(22=リコー)は1アンダーの33位。野村敏京(27)は2オーバーの65位で、上原彩子(36=モスバーガー)は5オーバーの94位だった。

 渋野はインスタートのこの日、10番パー4で3㍍。11番パー5は3打目を1㍍につけると、これも確実に決めて連続バーディーのスタートを切る。

 12番パー4では左に飛んだティーショットはボールがラフにすっぽりと埋まる。続く2打目はなんと〝チョロ〟で5?ほどしか進めず。5㍍のパーパットを決めきれずにボギーとする。

 続く13番パー4も、グリーン左からのアプローチをオーバーさせて4㍍のパーパットを残す。

 せっかくの連続バーディーをすぐに帳消しにしてしまうのか…。そのピンチもきっちり決めたことを「流れを切らすことがなくてよかった」と渋野は振り返った。

 その後?番から1番までパーセーブを続けると2番でバーディー。4番をボギーとしたものの、9番パー5はバーディーで締めて「今年一番のゴルフができた」と話した。

 今大会からは、パッティングで通常とは逆に左手を下にする「クロスハンドグリップ」を採用した。連覇をかけて臨んだ3週前の「AIG全英女子オープン」で予選落ちした後の「土日から練習し始めた」(渋野)。このグリップについて「私は〝パンチ〟が入るので、速いグリーンではタッチが合わせにくいと思っていたけど、合わせやすくなったし、ラインも出しやすい」と説明する。

 渋野といえば昨年の「全英女子」のウイニングパットのような〝壁ドン〟で決める強めのタッチが代名詞だったのを方向転換。この日は?~?㍍のロングパットを打つことがあっても「お先」の距離に寄せて楽にパーセーブすることが目立った。

 こうした状況で神経をすり減らす距離のパーパットを残すと、たとえ決められても精神的な疲労が蓄積する。それをストレスなく決められたのは、4日間の戦いを考えると大きい。

 さらにティーショットを「びっくりするぐらいダフって」左に外した8番パー3は7㍍のパーパットを残したが、これもカップイン。実戦で初めて使ったグリップできっちり結果を出した。

 この日は午前8時台と涼しい時間帯でのプレー。最高気温40度超えが予想される午後スタートの2日目に向けては「水分と塩分を補給して、頭の回転をしっかりしたい」と対策しつつ「これ(初日のスコア)を無駄にしないように頑張りたい」と意気込みを語った。