ゴルフの国内女子ツアーは3月の開幕戦から公式戦「ワールドレディスサロンパスカップ」(5月7~10日)まで、すでに10試合の中止が決定。新型コロナウイルスの感染拡大は収まっておらず、開幕の見通しは立っていない。そんな中で、ゴルファーたちはどう過ごしているのか? 緊急事態宣言が出た都県を拠点とするプロやその関係者が明かす現状とは――。

 緊急事態宣言を受け、東京都などが営業自粛を要請した施設の中にゴルフ場や屋外のゴルフ練習場は含まれなかった。それでも一部のゴルフ場、ゴルフ練習場は休業。いつになるか分からない開幕に向けて調整を続ける選手たちの練習環境にも当然、影響は出ている。

 都内を拠点とする勝みなみ(21=明治安田生命)が利用していた練習場も休業中。マネジメント会社によれば「オフにラウンドをさせてもらっているコースは営業しているので、これまで通りではありませんが、練習はできています」。一方でスポーツジムは休業要請の対象だ。同時に他の利用者がいないパーソナルジムでトレーニングを続けてきたが「今後はどうなるか分かりません」。多くの人が集まる一般的なジムとは環境が異なるが、利用し続けられるかは不透明だ。

 今春高校を卒業した西郷真央(18=大東建託)は地元の千葉が拠点。卒業式を欠席して臨むはずだった3月沖縄での開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は中止となったが「もう沖縄に移動してしまっていたので…」(西郷)と、どちらにも出られなかった。

 さらには師匠・尾崎将司(73=I.S.T)の自宅兼練習場である通称“ジャンボ邸”もクローズに。「アカデミー生(ジュニア)がたくさんいて、集まると結構な人数になるので仕方ありません」(同)。現在はジャンボ邸とは別に、普段から利用する練習場に通っている。ただ、他の娯楽施設などが休業している影響なのか「練習場も結構混んでいるので、パッとやって、パッと帰るようにしています」。通常通り、開幕していたらできなかったスイングの修正に取り組んでいるという。

 関西に目を移すと、昨年、ツアー史上7人目のアマチュア優勝を果たし、プロ入りした古江彩佳(19)は研修生をしていた六甲国際GC(兵庫)が練習拠点。「営業しているので練習環境はあるのですが、こういう状況で、ガンガンやるという雰囲気ではないですよね」(古江の関係者)

 外出自粛が叫ばれる中で、感染のリスクを避けつつ、プロとして練習は続けなければいけない。環境は違っても、それぞれに悩みは尽きないのだ。

 勝、渋野日向子(21=サントリー)らの黄金世代に、2歳下の古江や安田祐香(19=NEC)のミレニアム世代、さらに1学年下の西郷らが挑む――。

 今季期待されていたそんなフレッシュな争いが見られるのはいつになるのだろうか。