男子ゴルフ界に新たなスターが誕生だ。世界アマチュアランキング1位の金谷拓実(21=東北福祉大3年)が国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」(14~17日、静岡・太平洋C御殿場C=パー70)を通算13アンダーで制し、ツアー史上4人目のアマVを達成した。

 一昨年の「日本オープン」で2位。昨年の「アジア太平洋アマ」を制し、今年4月の「マスターズ」に出場するなど、アマとして数々の実績を残してきた。その活躍を支えているのは二刀流メジャーリーガーの大谷翔平投手(25=エンゼルス)が高校時代に実践し、大きな話題となった「目標達成シート」だ。

 自身が掲げる目標と達成するために必要な要素、さらにその要素を満たすために必要な努力などを書き込んだ大きなシートを寮の部屋に張って努力を重ねてきたという。特に課題とされていたのは飛距離不足。大学の先輩・松山英樹(27=LEXUS)からも「もうちょっと飛ばないと難しい」と指摘されていた。

 本人も早くから自覚しており、1日5食の食事とトレーニングにより、この2年で10キロ以上も体重を増やしてきた。大会最終日の平均飛距離は15位の298・5ヤード。目標の米ツアーで戦うためにはさらなる飛距離アップが必要だろうが、成果は確実に表れている。

 松山以来8年ぶりの快挙を達成した金谷は「松山先輩には『プロの試合で勝て』と言われていました。良い報告ができるのでうれしいです」。プロ転向のタイミングは未定だが、同じ舞台で戦う日までさらなる成長を続ける。