さすがのシブコもスマイル全開とはいかなかった。国内女子ゴルフ「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」初日(27日、宮城・利府GC=パー72)、前週優勝の渋野日向子(20=RSK山陽放送)は1バーディー、3ボギーの74で、2オーバーの49位と出遅れた。一方、米ツアー3勝の畑岡奈紗(20=森ビル)は69をマークし、3アンダー、6位と好発進。プロになって初めての同組対決は意外な結果となり、全英女王は黄金世代のライバルとの「差」を痛感させられた。

「それだけで違うなと分かりますよね」。畑岡が出だしの1番パー4で残り112ヤードの2打目を1メートル強につけてバーディーを奪った場面を渋野はこう振り返った。負けじと2番パー5では1メートルのチャンスをつくったが「読み違いでした」とバーディーならず。「2番で外してから、ことごとくダメでした。そこから流れが悪くなったと思います」とうつむいた。

 連続バーディースタートの畑岡も一度はイーブンパーまでスコアを落としたが、後半に盛り返し、60台をマーク。対する渋野は最終18番パー5でようやく初バーディーという苦しいラウンドとなり「レベルの差を感じました。奈紗ちゃんはパッティングで決めてくるだろうというところを決めてくる。私はそれをことごとく外していました」と“完敗”を認めた。大きな差がついたのはグリーン上とあって、渋野はボールがほとんど見えなくなった午後6時過ぎまで、練習グリーンでボールを転がし続けた。

 一方、ラウンド後にはうれしいニュースも飛び込んできた。この日が最終日だったステップアップ(下部)ツアー「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」で親友の木下彩(20)が初優勝。結果を耳にすると、興奮気味にスマホでスコアをチェックした。

 同じ中国地方出身で、一緒にプロテストなどを戦った間柄。仲のいいメンバーでの全英Vの祝勝会では「シュークリームを私の顔に押し付けてきて…。アイツ、ヤバイんですよ(笑い)」。来週の「日本女子オープン」(3日~、三重)で再会するだけに、渋野としても今大会で好成績を残したいところだ。

 あとは、なかなか決まらなかったパットをどう修正するか。「キャディーが高校生なので、基本的に一人でラインを読んでいたんですけど、最後だけ読んでもらったら入ったので『明日からよろしく』と言っておきました」。妹分の湯浅芹(16=滝川二高1年)の助けを借りて巻き返しを図るつもりだ。

 爆発力は先週の8打差逆転Vでも証明済み。畑岡とのV争いに向け、簡単に引き下がるつもりはない。