【ジョージア州アトランタ22日(日本時間23日)発】米男子ゴルフプレーオフ最終戦「ツアー選手権」(イーストレークGC=パー70)初日、今季からの新ルールで3アンダー11位からスタートした松山英樹(27=LEXUS)は6バーディー、2ボギーの66で回り、10アンダーで首位のザンダー・シャウフェレ(25=米国)ら3人から3打差の通算7アンダー、7位と好位置につけた。ショットが乱れがちだったが、小技とパターがさえてトップを猛追。年間王者に与えられる1500万ドル(約15億9000万円)のボーナス獲得を射程にとらえた。

 年間ポイントランキングでの王者と大会優勝者が異なることへの混同を避けるため、今季から新方式となった今大会。ポイント1位のジャスティン・トーマス(26=米国)が10アンダー、2位のパトリック・カントレー(27=米国)が8アンダー、3位のブルックス・ケプカ(29=米国)が7アンダーからスタートとハンディがつけられ、15位の松山はトップから7打差の3アンダーから優勝を狙う形となった。

 年間王者になるためにはスコアを伸ばすしかない松山は出だしから攻めた。2番で3・5メートルを沈めてバーディーを先行させると、3番では6メートルをねじ込んで連続バーディー。ティーショットをバンカーに入れた4番はボギーとしたが、6番パー5で楽に取り返した。続く7番は4メートルのバーディーパットがカップの縁で一旦止まったが、8秒後にカップイン。10秒ルールが適用されてバーディーが認められた。

 この日はショットがやや乱れたが、それを小技とパットでカバーした。9番はティーショットをグリーン奥に外したが、2打目を絶妙なロブショットで寄せてパー。折り返しの10番は2打目で寄せきれずに12メートルのパーパットを残したが、これを強気に打ち切ってピンチをしのいだ。

 続く11番も7・5メートルを沈めて伸ばすと、12番でも2メートルを入れて連続バーディー。14番のピンチでも何とかパーセーブした。17番でボギーをたたき、最終18番もバーディーパットが2・5メートルオーバーしたがパーパットをねじ込み、崩れかかった終盤でもスコアをまとめた。

 ホールアウト後、松山は「12番(ホール)くらいで終わっていればすごく満足いく内容だったんだけど…」と後半に伸ばしきれなかったことを悔やんだ。とはいえ、誰もが経験したことがない“ハンディ戦”で、ポイント1位のトーマスもリズムをつかめず、後続の2人に並ばれる大混戦。初日だけのスコアを見れば松山はシャウフェレに次ぐ2位タイで、トップとの差を4打縮めた。「明日も頑張ります」と短い言葉で2日目以降のさらなる追い上げを誓った。