シブコフィーバーが北海道に上陸だ。ゴルフの「AIG全英女子オープン」で日本女子42年ぶりのメジャー制覇を果たした渋野日向子(20=RSK山陽放送)が7日、凱旋試合となる「北海道meijiカップ」(9日~、札幌国際CC島松C)に向けて現地入りした。新千歳空港で集まったファンの歓迎を受けるなど、北の大地も「スマイルシンデレラ」に沸いている。史上空前の盛り上がりを見せる大フィーバーの舞台裏を公開――。

 報道陣を含め、約100人が待ち受ける新千歳空港に到着した渋野はここでも笑顔で到着ロビーに姿を見せた。

 その後、レジスト(出場選手登録)のため、会場入り。黄金世代の中でも特に仲のいい大里桃子(20=伊藤園)が出迎え、祝福を受けた。2人は高校1年の終わりに初めて試合で同じ組になり、それ以来の仲。途中まで一切会話のない中で渋野が「ナイスパー」と声を掛けたことで、話をするようになったという。仲の良さを表すように大里は親友の快挙を「キモいです(笑い)」と表現した。

 渋野のコース滞在は数十分。その間に報道陣の取材に応じ、時差ボケの影響で「昨日より疲れてます。ずっと眠いです」と素直に告白した。周囲のフィーバーぶりは「そんなに長くは続かないと思っているので、楽しんでいます」と冷静に受け止めた。

 舞台裏では“らしさ”全開だ。新千歳空港では白地に黒のロゴが入ったナイキのTシャツ姿。前日の羽田空港到着時は黒地に白ロゴの同じデザインのTシャツだった。同社とはゴルフシューズについて契約を結んでいるものの、これらはあくまで私服。同社のツアー担当者は「一番目立つところで着てくれて感謝しています。お礼を言ったら『でしょう』って笑っていました」と渋野とのやりとりを明かした。

 一般ゴルファーにとっては渋野が使用するクラブも注目の的。14本すべて契約メーカー・ピンのものを使用しているが「問い合わせは1Wとパターに集中しています」(同社スタッフ)。ファンは「全英女子オープン」最終日、勝負を分けた場面で使ったクラブが気になるようだ。

 また、今大会にはメジャー制覇を見守った父の悟さんに代わって、母の伸子さんが同行する。毎試合、家族が観戦に訪れるわけではないが、これまでの3勝は両親のいずれかの前で挙げてきた。「ワールドレディスサロンパスカップ」(5月)は母の日に父の前で初V。2勝目の「資生堂アネッサレディス」(7月)は母の前でプレーオフを制した。

 順番的には次は母の前で…。伸子さんは「そうなるといいですけど、もう運が残っていないかもしれないので、次に誰を送り込むか考えたほうがいいかもしれません」と冗談交じりに娘の活躍を期待した。

 今週の優勝副賞はお菓子10年分。「最高ですね。食べ切れないんで、優勝したらおすそ分けします」(渋野)。9日の初日は北海道出身の小祝さくら(21=ニトリ)、前週優勝の成田美寿々(26=オンワードHD)とのペアリングで女子ゴルフ史上空前の大フィーバーのなか、午前10時40分にティーオフする。