【日本ツアー選手権森ビル杯】石川遼 メンタルの「見える化」で楽しむことを意識

2019年06月06日 16時30分

 復活なるか。国内男子ゴルフのメジャー初戦「日本ツアー選手権森ビル杯」(6日開幕、茨城・宍戸ヒルズCC西C)で石川遼(27=CASIO)が約1か月ぶりにツアーに復帰。腰痛により試合から遠ざかった期間で見直したのは、心技体の中でも“心”だという。知らず知らずに感じていた重圧を解き放ち、ゴルフを楽しむという基本に立ち返るため、心の「見える化」を図るつもりだ。

 5日のプロアマで最終調整を終えた石川は欠場期間中にハムストリング(太ももの裏)の筋肉などを強化し、腰の不安を解消したこと、さらにその結果として「10年ぶりぐらいで下半身を使ったスイングができている」と“体”と“技”に変化があったことを明かした。

 すでにプレースタイルをチェンジさせる意向も示した(本紙昨報)が、もう一つ大きな変化を遂げようとしているのは“心”。試合に出られないことで生まれた時間で思い至ったのは「いいプレーができている時はゴルフを楽しめている。楽しい時こそいいプレーができる」というシンプルな結論だった。

「別にヘラヘラしてプレーしようというんじゃない。やっぱりゴルフをしていて楽しいのは自分の思い描いた通りのプレーができたとき。それを追い求めていきたい」。復帰戦となる今大会は楽しむことを意識して臨む最初の大会でもある。

 メンタル面だけに実に抽象的な話だが、それで終わらせないのが石川らしいところ。
「データとして“見える化”することが大事。毎ショット、自分が楽しめていたか、その場で点数をつけてスコアカードなどに残していく」と明確な取り組みもスタートさせる。

 実は心を記録するのはこれが初めてではない。石川は2年ほど前から毎ショット、「集中できていたか」「雑念は入っていなかったか」の2項目を10点満点で記録しているという。「楽しむ」は3つ目の項目だ。

「ダブルボギーを打つと、そのホールのあのミスが、と思いがちだけど、実際のきっかけは前のホールにあったりする。こういうのは記録して、見返してみないと分からない」

 自分ではうまくいかないと感じていても、1か月前、半年前のスコアカードを見れば、求めるレベルが上がっただけで、確実に前進していると気づくこともあるという。

 高校1年生でツアー優勝を果たし、翌年にはプロ転向。誰よりも注目を集める中でプレーしてきた。周りの目を意識しないのは無理な話。それだけに本当に自分と向き合うためには、こうしたデータが必要となるのだろう。

 若き挑戦者だったはずが、今では選手会長と立場も変わった。「意識しないようにしてきたけど、予選落ちだけはできないとか、そういう重圧は感じていたと思う」。楽しむことはプレッシャーからの解放にもつながる。復帰戦は過去6度の出場で4度の予選落ちと、本人も「あまり得意じゃない? あまり、じゃないですよ(笑い)」と認める苦手の大会。「だからこそ楽しみにしている。ここでトライすることに価値がある」。新たな心技体で、ここから再スタートだ。