【日本ツアー選手権森ビル杯】石川遼 ゴルフ人生かけた27歳の大変身

2019年06月05日 16時30分

高校の後輩、中里光之介(右)と練習ラウンドを回った石川

 男子ゴルフの国内メジャー初戦「日本ツアー選手権森ビル杯」(6日開幕、茨城・宍戸ヒルズCC西C)で、腰痛による欠場から約1か月ぶりに復帰する石川遼(27=CASIO)が、今後のゴルフ人生での生き残りをかけてプレースタイルを変更する決意を明かした。高校1年のアマチュアだった2007年にツアー史上最年少優勝を達成し「ハニカミ王子」となってから12年。いったい、どう変わろうとしているのか?

 2009年に史上最年少の賞金王になったころの石川といえば、腰がちぎれんばかりにドライバーを振り切るスイングが代名詞だった。それが今大会は「ドライバーじゃなくて、3Wでティーショットする機会を増やすのもあり、だと思っています」。

 今季は腰痛で4月の国内開幕戦を欠場。5月の「中日クラウンズ」は2日目のスタート前に棄権した。それだけに発言が弱気に聞こえるが、そうではない。「過去の優勝者を見ると『飛ばし屋』よりも正確にフェアウエーに打てている方が多いと思うんです」(石川)

 仮にドライバーで280ヤード飛ばしても、ラフだとほとんど転がらない。石川の3Wのキャリーは250ヤード前後だが「下が硬いから転がれば、270~280ヤードは行きます。同じ距離ならフェアウエーから打つほうが有利」との冷静な計算によるものだ。

 もちろんドライバーがフェアウエーに行けばさらに有利とはいえ、ティーショットを3Wで打つ距離のマイナス分を補うアイアンの精度には自信を持っているという。1打足らずに予選落ちした昨年は、2日間のフェアウエーキープ率が25%。現代のドライバーは大型化でアイアンとの“つながり”が悪い。そのクラブで曲げるより3Wでフェアウエーをとらえ、好調のアイアンとの流れを良くするという狙いだ。

 しかも、この戦略は今大会限定ではない。「これからのゴルフ人生での生き残りをかけて」との覚悟でアイアンの精度を徹底的に上げていく。「例えば彼らがPWで打って3メートルに乗せたら、僕は7Iで4メートルに乗せてパットで勝負、という感じです」と石川は話す。「彼ら」とは米ツアーの選手。同じ距離で3番手ぐらいの差が出るケースがあっても張り合える正確性を、「彼ら」が100ヤードから打つのと同じ精度を自身は150ヤードで身につける決意だ。

 かつては圧倒的な飛距離で頂点に君臨したタイガー・ウッズ(43=米国)も、台頭してきた次世代の選手と飛ばしで張り合わなくなったことが「マスターズ」での復活Vにつながった。「もし(ローリー)マキロイがこのコースでプレーして、キャリーで330ヤード飛ばすゴルフをしていたら、10年前はその飛距離にどうやって追いつくか、と考えました。でも今は、自分のゴルフでどうやったらスコアで並ぶ、上回るか考えます」(石川)

 平成の日本ゴルフ界の「顔」とも言える石川が、令和の幕開けとともに取り組むモデルチェンジ。大きな注目を集めそうだ。