初出場でもチャンスあり!? 国内女子ツアー「中京テレビ・ブリヂストンレディス」最終日(26日、愛知・中京GC石野C=パー72)、単独首位で出た勝みなみ(20=明治安田生命)が72で回り、通算14アンダーをキープして逃げ切りで今季2勝目を挙げた。これにより27日発表の世界ランキングで現在の54位から50位以内に浮上するのは確実。直前で海外メジャー「全米女子オープン」の出場権を手にしたが、大舞台に向けた大きなモチベーションとは――。

 2位に3打差で迎えた最終日、差を詰められても、何とかリードを保ってきた勝だが12、13番を連続バーディーとした松田鈴英(21=ニトリ)についに並ばれた。焦りが出ても不思議のない展開にも「なんでか分からないけど、追いつかれて安心しました。なんか気持ちが楽になったんですよね」。15番パー3で7メートルのバーディーパットを沈めて単独首位に返り咲き、その後は危なげないプレーで逃げ切った。

 言葉通りの余裕を感じさせる場面は何度かあった。緊迫した終盤でもフェアウエーを踊るように歩いた。「コンサートに行くんで、その予習で今メッチャ聴いてるんですよ」。頭の中では韓国の男性アイドルグループiKONの「I ’M OK」が鳴り響いた。

 ホールアウト目前の最終18番ではティーショットを打った後、おにぎりを口にした。「おなかがすいていたんです。終わった後は食べられないから」。優勝すれば、表彰式や記者会見で忙しく1~2時間、食事が取れないことは計算済み。そのうえで「前回は両手を上げたんで、どうしようかなって…」とV瞬間のガッツポーズも思い描いた。

「全米女子オープン」には出場権獲得が正式に決まる27日発表の世界ランクを確認してから出発する予定だ。

「(マネジャーが)飛行機を取っていたんで行くみたいです(笑い)。米本土はプライベートを含めて初めてなので楽しみですね」

 観光にでも行くような雰囲気で当初は特に意気込みを口にすることはなかったが、優勝賞金が約1億円であることを知ると、目を丸くして「え~! 日本の試合の何倍? それは頑張らなきゃいけないですね。がぜん、ヤル気が出てきました」。プロとしておカネはもちろん大きなモチベーションだ。

 今季国内では出場10試合で2勝を含むトップ10入り7回と絶好調。初出場の大舞台でもこの日のような余裕を保てれば、世界をアッと驚かせる活躍も期待できそうだ。