【マスターズ】ウッズ完全復活Vの要因

2019年04月16日 11時00分

ウイニングパットを決めたウッズはこのポーズ。14年分の喜びを爆発させた(ロイター)

【ジョージア州オーガスタ14日(日本時間15日)発】強いウッズが本当に帰ってきた。今季メジャー初戦「マスターズ」(オーガスタナショナルGC=パー72)最終日、2打差の2位でスタートしたタイガー・ウッズ(43=米国)が6バーディー、4ボギーの70をマーク、通算13アンダーで14年ぶりの大会5勝目を挙げた。メジャーでは2008年「全米オープン」以来となる11年ぶりの15勝目。度重なる手術やスキャンダルを乗り越え、誰もが待ちわびていた完全復活は、メジャーでは自身初の逆転Vだった。

 グリーンを取り囲んだパトロンが見守るなか、ウッズは50センチほどのウイニングパットを沈めると、右手で小さくガッツポーズ。ボールを拾い上げると両手を突き上げ、その後も何度もガッツポーズを繰り返した。

 グリーンサイドで見守るのは2人の子供と母クルチダさん。初優勝した1997年に父アールさん(06年他界)と涙のハグをした時から22年の時が流れ、ホールアウト後は子供たちと抱き合い、息子のチャーリー・アクセル君の手を引いてアテストへ向かうなど、父親として歓喜の瞬間を過ごした。

 波乱に満ちた近年のキャリアと同様、最終日の18ホールも順風満帆ではなかった。3番パー4でバーディーを奪い、首位のフランチェスコ・モリナリ(36=イタリア)に1打差と迫ったのもつかの間、4、5番の連続ボギーで後退。これまでのメジャーVはすべて最終日を首位(タイを含む)で迎えての逃げ切りだけに、逆転は無理なのか…のムードも漂う。

 その流れが変わったのは12番パー3。ともに最終組で回るモリナリ、トニー・フィナウ(29=米国)がいずれも第1打をグリーン手前のクリークに打ち込みダブルボギー。ウッズはパーセーブで11アンダーの首位に並んだ。

 ここからは復活した王者のペースだ。13、15番とパー5でバーディーを重ねると、かつて劇的なチップインを決めた16番パー3では、もう少しでホールインワンのスーパーショット。4ホールで3バーディーのラッシュで15番でもダブルボギーのモリナリ、追い上げを見せるダスティン・ジョンソン(34=米国)、ブルックス・ケプカ(28=同)らを突き放した。

 最終日は午後から強風と雷雨の予報が出ていたため、全選手が1番から2人一組でスタートするのではなく、1、10番に分かれて、3人一組でプレーする異例の組み合わせ。通常ならモリナリ、フィナウが最終組で、ウッズとケプカがひとつ前の組だった。

 首位スタートのモリナリは前日までの3日間でボギーがわずかひとつと今大会安定感抜群。もし間近でウッズの重圧を受けていなければ、終盤の2つのダブルボギーがあったのかどうか? 天もウッズの優勝を待ちわびていたのかもしれない。

 以前は確実と思われていたジャック・ニクラウス(79=米国)が持つメジャー最多18勝の記録更新へ向けてようやく切った再スタート。不倫発覚と交通事故のスキャンダルから10年、平成の最後に止まっていた時計の針が動きだした。