過去最多に並ぶ39試合が行われる今季の国内女子ゴルフツアーが7日からの「ダイキンオーキッドレディス」(沖縄・琉球GC)で幕を開ける。国内最高峰の華やかな戦いが始まる一方で昨年から続く、放映権の一括管理を目指す日本女子プロゴルフ協会(LPGA)と大会主催者との対立は先送りのまま。果たして、この問題はどんな決着を迎えるのだろうか? 本紙が検証した。

 LPGAが目指してきたインターネットでの生中継はシーズン開幕には間に合わなかった。LPGAの小林浩美会長(56)は「1試合でも早く始められるように準備を頑張っています」とコメント。開始の時期についての見通しは「立てられない」と具体的な発言は避けている。

 やはり問題となるのはLPGAが一括管理を図る放映権だ。ここにきて、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ東京の社長が相次いでこの件について言及。主催試合を持たないテレビ朝日を除く各局トップが「放映権がLPGAにあるとは認めていない」という立場を明確にした。

 これを受け「放映権の帰属が明確でない段階でどうやってネット中継を始めるのか?」「中継できる試合とできない試合があるという状態で、ツアーの放映権を買いたいというネット配信業者がいるのか?」とツアー関係者の間では疑問の声が上がっている。

 小林会長は放映権の帰属について「一部の主催者様とは継続して審議する」と説明してきたが、主催者の団体である日本ゴルフトーナメント振興協会(GTPA)の関係者によれば「協議を続けている主催者がテレビ局を含めておよそ半数いる」とのこと。納得していない人たちが「一部」と「半数」では印象はかなり違う。半分の試合しか見られない有料のインターネット中継では魅力も半減だろう。

 さらにネット中継用の映像を誰が撮影、編集するのかという問題もいまだに解決していない。良好な関係であれば、テレビ局から提供を受けるという形もあったはずだが、現状では対立が続く。「LPGAは主催者に『前半の少なくとも1番、9番、後半の全ホールを中継する』とネット中継の概要を説明している。現在のテレビ中継は終盤の5~6ホールなので、テレビ局もそれだけの映像は持っていない」(民放関係者)

 LPGAやネット配信業者が独自に映像を作るにしても、テレビ局と協力態勢を築くにしても、新たに撮影クルーを派遣する必要がある。こちらも高いハードルだ。

 前出のGTPA関係者によれば「放映権について交渉を継続するといっても、交渉の日程などは何も決まっていない」と前進は見られない。華やかなツアー開幕が今年で最後とならないことを願うばかりだ。