男子ゴルフの米ツアー「ファーマーズ・インシュアランス・オープン」で松山英樹(26=LEXUS)が通算16アンダーの3位に食い込み、優勝なしに終わった昨季からの復調を感じさせた。

 3位以内に入るのは現時点で最後の優勝となっている一昨年8月の世界選手権シリーズ「ブリヂストン招待」以来、約1年半ぶり。本人も「今年スイングをちょっと見つめ直した。いい成績が出たのでほっとしている」と手応えを口にした。

 松山の武器といえば、なんといっても精度の高いアイアンショットだが、今大会では平均飛距離でも311・6ヤードで出場選手中9位とトップクラスの数字を残した。飛距離を争う競技ではないとはいえ、世界ランキングの上位には飛ばし屋が並んでいるのが現実。コースに左右されず、安定して上位で戦うためには飛距離が必要なのは間違いない。

 過去3シーズンを振り返ると、松山の平均飛距離は294・5ヤード(65位)↓302・9ヤード(27位)↓302・0ヤード(49位)。一昨年、飛距離を大きく伸ばして、上位に名を連ねたが、ほぼ横ばいだった昨季は大きく順位を落とした。ツアー全体の飛距離はそれだけ伸びているということだ。今季は308・4ヤードと松山も再び飛距離を伸ばし、世界ランク1位で「ファーマーズ」を制したジャスティン・ローズ(38=英国)と並ぶ17位。世界のトップレベルに返り咲く準備が整いつつある。

 世界ランクは先週の33位から26位に上昇したが、一時は2位まで上り詰めた松山としては満足できる位置ではないだろう。今週は2度の優勝を飾る得意の「フェニックス・オープン」(31日開幕、アリゾナ州)。ティーショットとアイアンの2つの武器でV争いが期待される。