女子ゴルフ尾を引く放映権問題 2年後に地上波放送消滅?!

2018年12月28日 16時30分

強気な姿勢を崩さない小林会長だが…

 日本女子プロゴルフ協会(LPGA)とテレビ局による放映権を巡る問題が尾を引いている。系列局の主催試合3試合が中止と発表されたことで、日本テレビが騒動の中心になっているが、他局もLPGAの主張を受け入れたわけではなく火種は残ったまま。ツアー関係者の間では、将来的に地上波中継がなくなる可能性まで取り沙汰されている。

 LPGAが放映権の一括管理を主張したことに端を発するテレビ局との対立の影響で、先週発表された来季のツアー日程からは日本テレビ系の地方局が主催する3試合が消滅した。開催に向けた交渉再開の動きも出ているが、先行きは不透明だ。

 さらに日テレは公式戦「ワールドレディスサロンパスカップ」の主催からも撤退。同大会は開催コース未定で、大会名も「LPGAウィメンズ選手権」の仮称で日程表に掲載された。当然、クローズアップされるのはLPGAと日テレの対立だが、他局との関係も決して穏やかではない。

「ウチは2年間問題を先送りにしただけ。日テレのように結論を出すことができなかった」とはゴルフ中継に携わる民放関係者だ。LPGAの小林浩美会長(55)も会見で明かしたように他局は2020年までの協議継続で合意しただけで、放映権の一括管理に必ずしも理解を示しているわけではない。局によって温度差はあるものの、2年後、他局の主催大会も消滅の可能性は残っている。別の民放関係者は「試合をやることと中継をすることは別の問題」と来季についても不透明な現状を明かす。系列の地方局が主催であっても「キー局は中継しない可能性がある」。テレビ局が主催に入っていない大会の一部は中継局が決まらず、宙に浮いた状態だという。

 日程発表の翌日(20日)に行われたLPGAの年間表彰式には、取材申請をしていたのに来ない局もあった。ツアー関係者は「放映権問題の絡みと思わざるを得ない」と見る。中継だけでなく、ニュース、情報番組でも女子ゴルフ離れが起きつつある。

 LPGAが模索するネットでの生中継が実現しても、地上波の中継がなくなれば、その影響は小さくない。「選手個人につくスポンサーは自社のロゴが地上波に映ることを前提にしている。ネット中継だけでは厳しいでしょう」(ある選手のマネジャー)。もちろん選手からも同様の不安の声は上がっている。

 現在の録画中継から生中継へのシフトはファンの要望とされているが、その結果、有料のネット配信のみとなった場合にどんな反応が起きるのか。“有料でも生で見たい”という熱心なファンは満足させられても、“録画でも無料がいい”というライトな層は置き去りになってしまう。