【ミズーリ州セントルイス9日(日本時間10日)発】男子ゴルフの今季メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」初日(ベルリーブCC=パー70)、松山英樹(26=LEXUS)は2バーディー、ノーボギーの68をマークし、2アンダーの16位につけた。不安があったティーショットが冴え、メジャー初制覇に向けて好スタートを切った。池田勇太(32)も同じく2アンダーと好発進。首位は、6アンダーのゲーリー・ウッドランド(34=米国)。メジャー通算15勝目を狙うタイガー・ウッズ(42=米国)はイーブンパーの48位となった。

 インスタートとなった10番からすべてパーを並べて迎えた17番パー5、松山は2打目をグリーン左手前に運ぶと、ピンまで25ヤードの3打目を3メートルに寄せてバーディー。なかなか奪えなかったバーディーを8ホール目にようやく手にした。

 さらに後半に入っての1番パー4では残り148ヤードからの2打目をピン奥3メートルにつけて、2つ目のバーディー。その後は再びすべてパーを並べてホールアウトした。

 序盤のピンチをしのいで流れをつくった。10番パー4では右のセミラフからの2打目がグリーンをショート。30ヤードのアプローチが残ったが、これを寄せてパーをセーブした。続く11番パー4はUTでの第1打がフェアウエー右サイドのバンカー。2打目は出すだけとなったが、5メートルのパーパットをねじ込んだ。

 さらに後半に訪れたピンチも切り抜けた。3番パー3では第1打を右の池の縁に曲げたが、ここから絶妙のアプローチでパーをセーブ。続く4番パー4では2・5メートルを沈め、ここもパーでホールアウトした。

 首位と4打差とV圏発進の松山だが、自己評価はやはり辛口だ。前年覇者として臨み、39位に終わった世界選手権シリーズ「ブリヂストン招待」を引き合いに「先週も初日は3アンダーだったんでね」と表情を緩めたのはわずか。

 12番以降はティーショットが安定し、フェアウエーキープ率は71・4%を記録。それでも「長らくずっと曲がってたんで、久々にフェアウエーに行ったなと思いますけど、最初と最後が曲がってるのが気になりますね」。出だしとともに、上がり2ホールの8番で左、9番で右に曲げたことを反省材料に挙げた。

 さらにアイアンショットについては「評価するまでもないですよね。フェアウエーから打って、チャンスにもなんにもついていないんで。これが今の状態なんで何も思わないですね」と“論外”といった口ぶりだ。前夜は激励に訪れた母校・東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督(56)やチーム松山の面々と会場近くの韓国料理店を訪れ、リラックスムードだったというが、試合が始まればいつも通りのストイックな言葉が並んだ。

 開幕前は「36ホール完走が目標」と予選落ちを覚悟したような発言もあったが、状態は確実に上向き。「2日目の18ホールもまた、いいスコアで回ったら、先のことはそれから考えたい」と冷静に72ホールの戦いを見据えている。

 最終日のバック9を首位で迎えるなど、終盤まで優勝争いを演じた昨年は1アンダーの15位発進。上々の滑り出しとなった今年も同じ流れができつつある。大きな期待をかけてよさそうだ。