【全米プロ】現役屈指の“スイングマニア”が占う「松山メジャー制覇」の可能性

2018年08月07日 16時35分

松山(中央)は練習場で優作(右)と談笑

 男子ゴルフの今季メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」(ミズーリ州ベルリーブCC=パー71)が9日に開幕する。松山英樹(26=LEXUS)が最後までV争いを演じながら失速して5位に終わり、悔し涙を見せた昨年大会はまだ記憶に新しい。トッププレーヤーにして、現役屈指の“スイングマニア”でもある矢野東(41)が独自の視点でメジャー制覇の可能性を占った。

「1999年ごろのタイガーに似ていますね」。普段から海外ツアーをテレビでチェックし、オフにはベン・ホーガン(故人)ら、レジェンドたちのスイングを参考にする矢野は、メジャー初制覇の期待がかかる松山のスイングをこう評した。

 ウッズは96年8月にプロ転向し、翌年4月の「マスターズ」で優勝。99年には「全米プロ」でメジャー2勝目を挙げた。翌2000年の「全米オープン」からはメジャー4連勝を達成。ウッズはその後、コーチの変更などで何度かスイング改造に取り組んでいるが、99年というのは最初の全盛期を迎える直前だ。

 矢野に言わせれば、当時のウッズも今の松山も「タメをつくるというよりは胸と腕の関係性がずれない、振り遅れが少ないスイング」。だが「普通はこれをやると、安定はするけど飛ばないんですけどね」と付け加えたように、実効性を望みにくいスイングでもある。

 とはいえ、実際は2人とも飛ばし屋だ。これについては「松山選手は体も大きくしたし、トレーニングなどでスイングのスピードアップに取り組んだはずです。ヘッドスピードを上げようとすると、どうしてもタメが入るので、回転のスピードを上げる。松山選手も、タイガーもすごいスピードで胸が回転して、腕はそれと一緒に高速で動いています」。安定性重視のスイングを高速で行うことが、飛んで曲がらない秘密というわけだ。

 ただし、今季の松山は決して好調とはいえない。直前のメジャー「全英オープン」では2日目の最終ホールで痛恨のトリプルボギーを叩き、予選落ちを喫している。「全英」のCS放送の中継でゲスト解説も務めた矢野は“敗因について”「パターが入らなければ、どんな選手だってダメですよ。松山選手の場合、ショットの調子が多少悪くても、パターが入れば、ある程度はスコアはつくれるはずです」と見ている。

「全米プロ」でもカギを握るのはパッティングだ。矢野は「初日に同じイーブンパーで、1バーディーの選手と7バーディーの選手がいたら、チャンスがあるのは絶対に7バーディーの選手。たくさんバーディーが取れるということは、パットのタッチが合っているということ。初日に全く入らなかった選手が数日で立ち直るのは難しいと思いますよ」と序盤の重要性を強調した。

 優勝争いを演じた昨年の松山の初日は6バーディー、5ボギー。

 今年は初日にどれだけバーディーを奪えるのか注目だ。

☆やの・あずま=1977年7月6日生まれ、群馬県出身。日大でさまざまな学生タイトルを手にし、2000年にプロ転向。05年「アサヒ緑健よみうりメモリアル」でツアー初優勝を挙げた。08年には10試合連続トップ10入り(その間に2勝)のツアータイ記録を達成するなど、賞金ランク2位と躍進。右ヒジの手術などで昨年5月からツアーを欠場しているが、早期復帰を目指している。