米ツアー日本人最年少19歳V 畑岡奈紗の恩師ガース・ジョーンズ氏が明かす強さの秘密

2018年06月26日 16時30分

 10代Vの快挙の裏には――。ゴルフの米女子ツアー「アーカンソー選手権」で畑岡奈紗(19=森ビル)が大会レコードの通算21アンダー、2位に6打差の圧勝で日本人最年少優勝を果たし、世界を驚かせた。そんな畑岡の恩師の一人が、オーストラリア・ナショナルチームの元コーチで2015年から日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームのヘッドコーチを務めるガース・ジョーンズ氏(46)だ。一昨年の米ツアー予選会ではキャディーも務めた同氏が本紙に畑岡の「強さの秘密」を明かした。

 最終日最終組は首位タイに並ぶ畑岡と世界ランキング9位のミンジー・リー(22=オーストラリア)、2打差で追う同3位のレキシー・トンプソン(23=米国)のペアリング。優勝には目の前の実力者2人を倒す必要があったが、畑岡は3番をチップインバーディーとすると、5、7、9番とバーディーラッシュ。思うようにスコアを伸ばせないライバルたちを尻目に前半で大きなリードを奪い、圧勝につなげた。

 ナショナルチームの合宿で宮崎に滞在中のジョーンズ氏は25日、本紙の取材に応じ「彼女が素晴らしいプレーヤーであることは知っていた。10代で勝つ選手はたくさんいるが、今回の勝利でミンジーやブルック・ヘンダーソン(20=カナダ)と肩を並べたと思っています」。リーはすでに米ツアー4勝、ヘンダーソンはメジャーを含む6勝を挙げている若手のトップ。畑岡は2人とともに今後の女子ゴルフ界を担う選手の一人だという。

 畑岡との出会いは日本でヘッドコーチに就任した2015年。当時、畑岡はナショナルチームに入ったばかりだった。「飛距離が出る子だなというのが第一印象。加えて、もっと強くなりたいという熱意とメンタルの強さも感じた。我々のコーチングを聞こうという気持ちがあって、それを身に付けるために練習にも取り組む。長く競技人生を続けることができる強い体も持っていた」

 メンタルの強さは初優勝がかかった今大会でも十分発揮された。後半の13番パー4ではティーショットを池に入れるピンチもあったが、動じることなくパーをセーブ。前半のリードをさらに広げてフィニッシュした。

「彼女の素晴らしいところは試合をリードする力と上位にいることを恐れない点。今回のことは分からないが、目標スコアを設定して、それに集中するという方法をよく使っています」。かつては目標スコアに固執し過ぎるという課題もあったものの、それも解消されつつある。

 ジョーンズ氏はプロに進んだ選手を継続してサポートするJGAルーキープロ・プログラムにおいてもヘッドコーチを務めており、畑岡との師弟関係は現在も続いている。「週に一度は連絡を取り合っているし、映像をもとにスイングについて話し合うこともある。オフに宮崎で合宿をした際『年に4度は会って話そう』と決めたので、3月には米国の2大会に足を運びました」

 このところ、2人のやりとりの中でテーマとして挙がっていたのは「最終日のパフォーマンス」。今回はその成果が存分に表れた形での勝利でもあった。次は「全英リコー女子オープン」(8月)など欧州での2試合で顔を合わせる予定だという。

 畑岡が目標に掲げるのは、2020年東京五輪の金メダルとメジャー優勝。「今後、メジャーで何回勝てるとか、そういうことを言うつもりはありません。優勝にはさまざまな要素が絡んでいて確証はない。大事なのは彼女が勝つために必要なスキルをすでに持っているということです」。今週はメジャー第3戦の「全米女子プロ」(28日~)が行われる。初優勝に続き、畑岡が次なる目標にどこまで近づくのか注目だ。