【米女子ツアー】快挙初Vの畑岡奈紗 宮里藍との“深イイ縁”

2018年06月26日 11時00分

【アーカンソー州ロジャース24日(日本時間25日)発】米女子ツアー「アーカンソー選手権」(ピナクルCC=パー71)最終日、畑岡奈紗(19=森ビル)は8バーディー、ノーボギーの63で回り、通算21アンダーと驚異的なスコアで、米女子ツアー初優勝を遂げた。日本勢の勝利は昨年4月の野村敏京(25)以来で、10人目。2012年に22歳で勝った宮里美香を抜く日本勢最年少優勝で、10代初の快挙だ。ツアー参戦2シーズン目で偉業を成し遂げた裏には、偉大な大先輩との縁があった。

 最終18番、確実にウイニングパットを沈めると、大歓声の観客にはにかみながら控えめなガッツポーズで応えた。母・博美さんや仲間からペットボトルの水で祝福のシャワーを浴びると、19歳は無邪気に笑った。ツアー参戦2シーズン目で結果を出した畑岡。日本人の米女子ツアー優勝は樋口久子(72)、岡本綾子(67)、小林浩美(55)、平瀬真由美(48)、福島晃子(44)、宮里藍(33)、上田桃子(32)、宮里美、野村に次いで10人目。しかも、10代での優勝は日本女子史上初の快挙だ。「最後まで自分を貫くことができました。今日は実力者と回ったが、自分のプレーができたことは大きい」と笑顔でインタビューに答えた。

 この日はショット、パットともに絶好調。3番のバーディーを皮切りに、圧巻のプレーで首位を独走した。13番ではティーショットが池に入るピンチを迎えたが、見事なリカバーでパーセーブ。調子を落とすことなく、15、17、18番でバーディーを叩き出し、大会記録の通算21アンダーをマークし、2位とは6打差の圧勝だった。

 実質プロ1年目の昨季から米ツアーを主戦場とした畑岡は米ツアー参戦経験がある中嶋常幸(63)が主宰するトミーアカデミーの出身。渡米前からショートゲームのテクニックを学んだ。さらに今年4月には、中嶋が長年解説を務める男子の海外メジャー「マスターズ」を初めて観戦し、世界のトップ選手たちのアプローチを観察。158センチと小柄な畑岡はその場にしゃがみこみ、パトロンたちの足の間からのぞき込むほど熱心だった。

 男子の技術は「すぐにまねはできない」としながらも、学ぶことは多かったのか「マスターズ」を境に成績は急上昇した。ちなみに観戦中に本紙が声をかけると「えっ、私って分かりますか?」。会場で購入した大会キャップとプレー中とは違うサングラス姿で、誰にも気づかれずに観戦しているつもりだったようだが、全く変装にはなっていなかった…。

 偉大な先輩との浅からぬ縁も畑岡を後押ししている。今季は藍のマネジャーで先週、藍の夫にもなった座親匠氏(ざおや・たくみ=37)のサポートも受けている。常時、ツアーに同行する形ではないようだが、座親氏は藍とともに10年以上、米女子ツアーを転戦し、会場付近のホテルやレストラン、その他、日本人選手にとって必要な情報は知り尽くしている。それだけに、“藍の旦那”の存在は環境を整えるにはこれ以上ない強力な援軍だ。しかも今大会は2012年に藍が最後にツアーを制覇した記念すべき大会。憧れの存在に続き、喜びもひとしおだ。

 次週はメジャー大会「全米女子プロ」を控えている。「メジャー大会なので気を引き締めてがんばります」と力強く話した畑岡。さらなる高みを目指す。