【ニューヨーク州サウサンプトン12日(日本時間13日)発】男子ゴルフの今季メジャー第2戦「全米オープン」(シネコックヒルズGC=パー70)は14日に開幕する。10年ぶりの優勝を目指すタイガー・ウッズ(42=米国)は、渋滞回避のために22億円の自家用ヨットから出陣する。

「スタート時間に遅れる選手がいるかもしれないね」。この日行われた公式会見で、ウッズは冗談めかして言った。

 寝坊で遅れることもある一般ゴルファーと違って、世界のトップが集う大会でそんなことがあるはずない、と思うかもしれないが、今週はあり得ない話ではない。

 開催コースがあるのはニューヨークの中心部、マンハッタンから東に100キロほどの、ロングアイランド島の先端近く。コースの前を通る一本道に、ゴルフに無関係な車も含めたほとんどの車が集中する地形になっている。

 そのため今週に入ってからは尋常ではない渋滞が発生し「コースに来るのに3時間かかった」と嘆く選手もいる。

 ゴルフ規則ではスタート時間に遅れた場合、5分以内は2打の罰。5分を超えると失格となる。

 これを避けるためにウッズが取った手段は、保有する2000万ドル(約22億円)の超高級ヨット「プライバシー号」に滞在することだった。

 全長約46メートルの船内には寝室はもちろんキッチンやジム。ジャグジーもあり環境は完璧。道が混むのとは逆方向に停泊しているため通勤時間も30分ほどで済むのは、大きなアドバンテージだ。

 最後のメジャーVは10年前の「全米オープン」。メジャー通算15勝目へのカギにパッティングを挙げ、この日も入念にグリーン上で練習していた。