【フィギュア】羽生が連覇「金」へ公式練習で切り札4回転ループ成功

2018年02月16日 11時00分

練習で笑顔を見せた羽生。態勢は整った

【韓国・江陵15日発】王者が描く青写真のラストピースがついに埋まった。平昌五輪で連覇を狙うフィギュアスケート男子の羽生結弦(23=ANA)が公式練習で4回転ループを成功。右足首の負傷の原因となった4回転ルッツを封印する今大会、現時点の“切り札”の投入にメドが立った。17日のフリーで実際に跳ぶのか。金メダル争いに向けて、ライバルたちに大きな揺さぶりをかけた。

 欧州選手権6連覇のハビエル・フェルナンデス(26=スペイン)、全米王者ネーサン・チェン(18=米国)、そして日本の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)…。16日のショートプログラム(SP)で最終グループを滑る世界のトップ選手6人が集まった公式練習の場でも、羽生は抜群の存在感だった。

 前回王者が連覇をかけて臨む4か月ぶりの復帰戦。練習を見守る報道陣の視線は、今まで以上に羽生に集中した。もう一人の日本のエースに成長した宇野も「久々に陰に隠れて試合を迎えるなって感じがします」と苦笑いするほどだった。

 そんな中、羽生は4回転ループを成功させた。クリーンな着氷にブライアン・オーサー・コーチ(56)も大きな拍手。羽生にその意図があったかは分からないが、ライバルたちにとっては“ループも跳べる”という姿だけで大きなプレッシャーを与えたはずだ。

 フリーの曲「SEIMEI」をかけての練習では1回転になったものの、実戦投入の可能性を問われると、羽生は「はい」とひと言。13日の会見では「作戦が大事」と話しており、SPの結果次第でフリーの構成を変えてくるとみられる。

 追う展開なら逆転を狙ってループ投入。大きくリードしていれば回避…。滑走順によっては他の選手のフリーの演技も作戦に影響する。羽生の4回転ループは間違いなく試合の流れを左右するジャンプだ。

 ソチ五輪で日本の金メダルは羽生が獲得した1つだけ。順調にメダルを量産する今大会も、まだ金メダリストは誕生していない。外国人記者から「自分が取らなければという重圧はあるか?」と質問を受けると「誰が取ろうが、ボクも取ります」。力強い金メダル宣言が飛び出した。

 普段の大会とは違う午前中開催の影響からか、9日の団体戦のSPでは宇野を除く有力選手がミスを連発。男子シングルは始まる前から大荒れの予感もある。連覇への切り札を手に戻ってきた前回王者は、そんな空気を一掃する演技を見せるはずだ。

 なお羽生は16日、SP開始前の午前8時35分から本番会場で練習。4回転サルコーを何度も確認し、終盤は4連続で成功した。