【フィギュア団体男子SP】宇野昌磨ぶっちぎり首位“な~んにもせず作戦”で朝を克服

2018年02月10日 14時00分

宇野は眠気に負けず、圧巻の演技を披露した

【韓国・江陵9日発】自然体が正解? フィギュアスケート団体男子ショートプログラム(SP)で宇野昌磨(20=トヨタ自動車)がただ一人、100点超えの103・25点で首位に立ち、日本に10ポイントをもたらした。ペアの須崎海羽(18)、木原龍一(25)組(木下グループ)は8位で、日本は合計13ポイントの3位。宇野が大の苦手の「朝」を克服し、日本を好スタートに導いた。

 元世界王者パトリック・チャン(27=カナダ)、全米王者ネーサン・チェン(18=米国)、ロシア王者ミハイル・コリャダ(22)と有力選手が次々に転倒などのミスを繰り返すなか、最終滑走の宇野が安定感のある演技を見せた。

 チェン、コリャダの演技を映像で確認していた宇野は「あれだけ失敗するのは初めて見た。特別な緊張感があるのかな、朝早いからなのかなと思って、自分も失敗するんじゃないかと思った」。

 最初のジャンプ、4回転フリップではバランスを崩したが、左手をつきながら踏ん張った。「やばいと思ったところから、なんとかこらえたことで、思ったより体は動いてるんだなと感じて、そこからは普通にできました」。後半の連続ジャンプ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)には大きな加点がついた。

 男子シングルでは金メダル候補の宇野にとって最大の懸念材料だったのは、午前中に競技が始まる変則日程だった。同じスケートでもフィギュアは午後から夜にかけて、スピードスケートは日中に行われるのが通常だが、テレビ放映の都合で今回の五輪では逆転。両種目の選手は事前に生活リズムを変えるなど、対応を迫られている。

 とりわけ宇野は朝が大の苦手だ。昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルでは午前中の公式練習に寝癖のついた髪で現れた。おしゃれに気を使うイマドキの男子とは思えない風体だったが「10時のバスに乗るのに、起きたら9時55分だった」と苦笑いを浮かべた。

 そんな宇野が選んだ朝対策は「特別なことは何もしない」ことだった。この日は午前7時5分からの公式練習に向け、5時に起床。「そこから何回か寝ながら6時のバスで来て、アップもほとんどすることなく」リンクに立った。体の動きが悪いのは承知の上。「公式練習は動かなくてもいいと思ったら意外と跳べた。試合はもっと動きました」。朝の試合という課題をクリアしたことは16、17日の個人戦に向けて大きな収穫だ。

 団体戦のSPで1位になり、個人戦に臨むのは前回ソチ五輪で羽生結弦(23=ANA)が金メダルを獲得した時と同じ。宇野は「団体戦と個人戦は全くの別物。何かつながるものはないんじゃないかと思う」と話したが、一定の手応えは感じているはずだ。

 個人戦には団体戦不参加の羽生や4大陸選手権で宇野を破った金博洋(20=中国)ら強敵も加わるが、この日の演技で宇野が金メダル争いの主役に躍り出た。