【韓国・江陵7日発】平昌五輪フィギュアスケートの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)は、金メダルへ向けて“秘密兵器”を導入した。

 前日(6日)に韓国入りした宇野は、7日の昼間に江陵アイスアリーナの本番リンクで初練習。夜には地下のサブリンクでも汗を流した。初練習を終えると「今日の練習は良かった。だいたい調子がいいときは落ちていくので、それを無理に拒否せずに受け入れて(そこから)調子が上がっていくようにと考えたい」。初出場の20歳とは思えない落ち着いた様子を見せた。

 まだ五輪独特の雰囲気は感じておらず「規模は違うけど、ユース五輪やアジア大会と似たような感じ。ID(身分証明)をなくしたらやばいなという危機感だけはあります(笑い)」と報道陣を笑わせる余裕を見せた。

 羽生結弦(23=ANA)の欠場が決定的な団体戦ではエース格。個人戦でも金メダル候補の一角を占めるが、この日の練習では日本スケート連盟が持ち込んだ機器を活用し、その場でジャンプの映像を確認した。

 実はこれ、ジャンプやスピンなどの映像を練習中のリンクですぐに見ることができる「映像転送システム」なるものだ。スタッフが練習場で撮影した選手の動画を、指導するコーチのタブレット端末に送る。選手はどんな映像が欲しいかを事前にリクエストしており、その場で動画を見ることで動きの確認、修正に役立てているという。

 日本スケート連盟の竹内洋輔強化副部長(38)によれば、昨春から練習に取り入れており、五輪での使用は今回が初めて。「ミスした原因をすぐに確かめられる」(竹内強化副部長)ため、選手、コーチにも好評だ。

 宇野も「自分のイメージとこう違うんだというのを見ている」と、秘密兵器を使って細かな部分までの調整に余念がなかった。まずは9日からの団体戦でその成果を見せる。