【フィギュア】金への秘策“羽生マスク”の凄さ 1枚2万円でインフルにも負けない

2018年02月03日 16時30分

羽生が着用している「bo―biカロリー 平昌2018年モデル」

 いよいよ9日に開幕する平昌五輪で、メダルへの期待が最もかけられている競技といえば、スケートだ。平昌の大気汚染と、猛威を振るうインフルエンザに負けず、万全の体調で大舞台に臨むべく、フィギュア、スピードスケート、ショートトラックの代表選手たちは1つ2万円もする“世界一のスーパーマスク”をつけているのをご存じだろうか。日本スケート連盟が導入を決断したきっかけは、男子フィギュアの前回大会金メダリスト羽生結弦(23=ANA)だった。

 スケート連盟は平昌五輪期間中、オフィシャルサプライヤー契約した次世代マスク「bo―biカロリー 平昌2018モデル」を採用している。オーダーメードで1枚1万9980円(税込み)もする、一般的なマスクの常識を超える超高級価格。それでも値段以上の効果を期待できるという。

 愛知県豊橋市の「くればぁ」でマスクを開発した中河原毅取締役社長(38)によると、10層の異なる機能を持つフィルターを内蔵し、花粉、ダニアレル物質、PM2・5、ウイルス飛沫を低減する。

 さらに最大の特徴は呼吸への負荷をかけられることだ。「横隔膜の呼吸筋を使った『努力呼吸』に変わり、カロリーが大幅に消費される」(中河原氏)。まるで低酸素の高地トレと同じような効果が期待できるという。

 第三者機関の調査では「運動や食事制限をせず、毎日8時間つけるだけで3週間で6キロやせた方もいた」(中河原氏)。洗って100回以上使用可能で、500回使う人もいるという。ウェブを通じて、一般購入ができる。

「平昌は大気汚染がひどいと聞いている。石炭で暖房器具を使っていたり、トラックのスモークが原因だそうです。連盟では五輪シーズンの間はインフルエンザと大気汚染対策のため、マスク着用を選手に指示しています」(中河原氏)

 連盟が同社のマスクを採用したきっかけは、前回ソチ五輪フィギュア男子シングル金メダリストの羽生だった。2015年3月の世界選手権で上海に向かった羽生が同社の日の丸ロゴ入りマスクをつけている姿が報じられた。反響はすさまじく、日の丸ロゴマスクの売り上げは1億円を超えた。

「羽生さんが連盟に注意されたという報道があって、申し訳なさもありました。その後、連盟から会社に『このマスクはどういうもの?』と電話があって、怒られるのかとドキドキした」。中河原氏は東京の連盟本部に出向いてプレゼン。当時、外国開催の大会で大気汚染に体調を崩す選手がいたことや、花粉症持ちの専務理事に気に入られ、同年5月から公式に提携することとなった。

 羽生は昨年11月、NHK杯の公式練習でのケガが原因で、12月の全日本選手権を欠場した。中河原氏も非常に心配しており「花粉症や小児ぜんそくをお持ちの羽生さんは呼吸筋を鍛えることを重視されている。米国でトレーニングされていると聞いていて、心配ではありますが万全で臨んでいただきたい」。

 スケートだけでなく、他競技でもマスクは活躍している。bo―biカロリーは名城大学女子駅伝部の練習に17年3月から導入されるや、10月の全日本女子駅伝で12年ぶりの日本一達成を果たした。このすごさを聞きつけた世界的大手スポーツ用品メーカーが「世界中のマスクを調べたが、くればぁのものが一番」とコラボの話を持ちかけてきた。

 現在、契約に向けて進めているところ。今後は世界中の選手に使われることになりそうだが、まずは日本のスケート代表のメダル獲得へ大きな助けとなるのは間違いない。