フィギュア五輪代表滑り込み 坂本花織に期待の爆発力

2017年12月25日 16時30分

代表2枠目をゲットした坂本。“氷上のシンデレラ”となれるか

 フィギュアスケートの平昌五輪代表選手が24日に発表され、男子が宇野昌磨(20=トヨタ自動車)、田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)、羽生結弦(23=ANA)、女子は宮原知子(19=関大)が順当に選ばれた。注目の女子2枠目は坂本花織(17=シスメックス)に決定。実績では上回るライバルの樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)が全日本選手権で4位だったのに対し、坂本は2位。最終選考会の結果が重視される形となったが、専門家はこの選考をどう見るのか。さらに本番への見通しは――。

 前日23日に全日本4連覇を成し遂げた女王・宮原に続いて、名前を呼ばれたのは新星・坂本だった。

 昨年2月のユース五輪では6位。「ケガもあって納得のいく演技ができなかった。本当の五輪でリベンジがしたいと思う気持ちが増し、この舞台に出ることができた」(坂本)。今季シニアデビューしたばかりで、代表争いの本命とは見られていなかったが、強い思いで五輪シーズンに臨んでいたことを明かした。

 グランプリ(GP)シリーズ初戦のロシア杯(10月)で5位になるなど、シーズン序盤は苦しんだ。それでも、11月のスケートアメリカでは宮原に次いで2位と躍進した。アジア杯、全日本の予選である近畿選手権などにも出場し、全日本が今季9戦目。マラソンの“公務員ランナー”川内優輝(30=埼玉県庁)ばりに、数多くの試合に出ることでジワジワと調子を上げてきた。

 五輪前に行われる四大陸選手権(来年1月24日~、台北)にも出場。中野園子コーチ(65)は「(四大陸と日程が重なる)インターハイは無理だけど、他の試合に出るかもしれない」と、今後も“川内流”で実戦での調整を続ける方針だ。

 一方、GPファイナルに進出するなど実績では坂本を上回りながら落選。目を赤く腫らし「すみません」とだけ言い残して会場を後にした樋口との“差”はどこにあったのか。選考について、日本スケート連盟の小林芳子強化部長(62)は「あえていえば全日本の成績とパフォーマンスというところです」と説明。最終選考会の結果が2人の明暗を分けたという。

 元国際ジャッジでフィギュア解説者の杉田秀男氏(82)は「坂本が五輪、樋口が世界選手権(来年3月、ミラノ)の代表ということで“痛み分け”でしょう。それぐらい難しい選考だったと思う」と指摘。そのうえで、五輪代表になった坂本に対して「思い切りの良さが特徴。翌年の枠取りがかかった世界選手権よりも、一発勝負の五輪のほうがその良さが出るのではないか。今まさに成長中で、五輪までにもさらに成長できる」と本番での活躍に期待を寄せる。

 神戸市出身で明るく元気なキャラ。平昌のメダル取りへ、物おじしない坂本の“爆発力”にかけたということか。もちろん、五輪で全日本を上回るパフォーマンスを見せれば、強敵揃いのロシア勢を脅かす存在になるかもしれない。