【フィギュア全日本選手権】女子SP伏兵・坂本首位で「平昌五輪2枠」大混迷

2017年12月22日 16時30分

演技を終えて満面の笑みを浮かべる坂本

 平昌五輪代表の最終選考会を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権(21日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)の女子ショートプログラム(SP)、伏兵の坂本花織(17=シスメックス)が73・59点で首位に立った。大会4連覇がかかる宮原知子(19=関西大)が2位、本郷理華(21=邦和スポーツランド)が3位で追う展開。注目の本田真凜(16=大阪・関大高)ら他の候補はジャンプに苦しむ中、新ヒロインの登場で五輪代表2枠の争いは混沌としてきた。

 演技直後にガッツポーズを見せた坂本も、点数は予想外だった。「いつも通り70点弱だと思っていました。点数合ってるんかなと思った。こんなにうれしいことは久しぶり」。自己ベスト(69・40点)を大きく上回る得点が表示されると、驚きの表情を見せた。

 大会前から2枠を争う7人の代表候補の一人として名前は挙がったものの、今季シニア1年目の坂本はダークホース的存在。ステップ、スピンともに最高難度のレベル4を揃えるとフリップ―トーループの連続3回転から続くすべてのジャンプも決め、技術点では唯一40点台を出して他を圧倒。僅差ながら本命・宮原を抑えての首位発進で、大会初日の波乱の主役となった。

 一方で上位には順当な名前が並んだという見方もできる。代表1枠目は全日本優勝者がそのまま選ばれるのに対し、2枠目は全日本2、3位、グランプリ(GP)ファイナル上位2人など、日本スケート連盟が定めた基準を一つでも満たした選手の中から選考される。

 これまでに基準を満たしているのはGPファイナルに出場した宮原、樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)、ワールドスタンディング9位で宮原に次ぐ日本人2番手の本郷、シーズンランキング7位で樋口に次ぐ2番手の坂本まで。実際に選ばれるかどうかはともかく、全日本の結果にかかわらず選考の対象になる4人が上位を独占した。

 一方、今大会で3位に入らなければ、五輪代表入りの可能性が消滅する本田、三原舞依(18=シスメックス)、白岩優奈(16=関西大KFSC)はより大きなプレッシャーがかかったのか苦戦した。年齢制限により平昌五輪には出られないジュニアの紀平梨花(15=関西大KFSC)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させるなど点数を伸ばしたため3人は、6~8位に名前が並んだ。

 三原はダブルアクセル(2回転半ジャンプ)で転倒し「全日本にかける思いは強かった。ここ数年SPでアクセルをミスしたのは記憶にない。心の弱さがあったのかな」。同じくアクセルで転倒した白岩も「一番簡単なジャンプでミスした自分が許せない」とガックリ。本田だけは「悔いの残る演技だったけど、緊張感はなく楽しく滑れた」と振り返った。

 運命のフリーは23日。今度は代表入りに大きく近づいた上位陣に大きな重圧がかかる。その一方で、後がなくなった本田、三原、白岩は開き直って臨んでくるはず。坂本の躍進で混迷を深めそうな“女のバトル”。新たな波乱を巻き起こすヒロインが現れるのか、このまま上位4人が代表を争うのか。予断を許さない戦いはヒートアップしそうだ。