平昌五輪の代表争いから一歩抜け出したのか。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦の中国杯で女子2位に入った樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)が6日、羽田空港に帰国。熱戦を終えたばかりとあって「疲れました。機内では爆睡です。帰ってから寝たいです」とお疲れモードだった。

 開幕戦のロシア杯でも3位で表彰台に立っており、GPシリーズ上位6人のみが出場できるGPファイナル(12月、名古屋)出場へ前進。来年2月の平昌五輪出場にも関わる重要な大会だけに、大きな意味を持つ。

 女子の五輪出場枠は「2」。全日本選手権優勝者以外は、GPファイナル日本人上位2人など複数の基準から総合的に選考される。

 中国杯での直接対決で4位の三原舞依(18=シスメックス)、5位の本田真凜(16=大阪・関大高)を退けただけに、GPファイナルに進んで好成績を出せば優位に立てる。

 樋口にとって代表争いの大きなカギを握るのが、全日本2連覇中の宮原知子(19=関大、顔写真)だ。昨季、左股関節を疲労骨折してシーズン後半を棒に振ったが、今季の始動戦に予定していた10月のフィンランディア杯(フィンランド)も回避。万全を期して10日開幕のGPシリーズ第4戦・NHK杯(大阪)に出場する。

 昨年の全日本で優勝した時の得点は214・87点。2位の樋口に15点以上の大差をつけており、状態さえ戻れば好調の樋口でも及ばないかもしれない。だが、宮原がベストに程遠い状態なら完全復活にも黄信号がともり、樋口の1枠確保が現実味を帯びてくる。

 もちろん、樋口に慢心はなく「GPファイナルに出られるなら自分らしく滑りたい。1日ぐらいなら休んでもいいとは思うが、練習期間は1か月でも足りないかも。ジャンプの流れやスピン、ステップなど、課題は分かっている。しっかり詰めて練習したい」。平昌への切符をつかむため、無休も辞さない構えだ。