【フィギュア】シンデレラ三原舞依 世界選手権で通じるか

2017年03月25日 16時30分

安定した演技が魅力の三原(ロイター)

 フィギュアスケートの世界選手権(29日~、フィンランド)に向け、大きな期待を集めるのが三原舞依(17=神戸ポートアイランドク)だ。平昌五輪のプレ大会として行われた2月の四大陸選手権(韓国・江陵)女子シングルで自身初の200点超えを果たして優勝。来年の平昌五輪の出場枠確保が懸かる大事な大会で、一躍注目の存在となったシンデレラの可能性に迫った。

 昨年末の全日本選手権で3位に入って日本代表入りした三原だが、四大陸選手権での序列はあくまで3番手扱い。だが、そこで見せたパフォーマンスは圧巻だった。SPをノーミスで滑り切って4位につけると、フリーでも再びノーミスの演技を披露。エース宮原知子(18=関大)をケガで欠く中、日本に2大会連続の金メダルをもたらした。

 指導する中野園子コーチ(64)は「他の有力選手がミスしただけ」と実力でもぎ取った優勝ではないことを強調したが、大舞台でも変わらない安定した演技は大きな魅力。世界選手権では復帰予定の宮原とともに、平昌五輪の枠取りに貢献する活躍が期待される。

 近畿からは2010年バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔氏(31)、14年ソチ五輪5位の町田樹氏(27)、そして宮原らトップスケーターが次々と生まれているが、彼らはいずれも、練習環境に恵まれた関大所属。一方、第2の勢力の“チーム中野”は貸し切りで練習できる環境を求めて、日ごとに別のリンクを渡り歩く。その中から、三原やジュニアで活躍する坂本花織(16=神戸ポートアイランドク)が育ってきた。

 世界選手権ではこれまでにない重圧を背負う形となるが、三原には難病を乗り越えた精神的な強さがある。一昨年12月、スペインで行われたジュニアグランプリファイナルに出場したが、関節の痛みを訴え、最下位の6位と惨敗。帰国後、若年性特発性関節炎(若年性リウマチ)と診断され、半年間の入院を余儀なくされた。

 二度と競技には戻れないかもしれない厳しい状況から見事に復帰を果たすと、いきなり今季の活躍。四大陸選手権優勝後の「この位置にいることが信じられない」という言葉はまさに本音だろう。

 技術面ではアクセルに次いで得点が高いルッツから3回転―3回転の連続ジャンプを決められるのが三原の強み。四大陸選手権ではSP、フリーともジャッジから加点を引き出す、完璧な連続ジャンプを冒頭で決め、流れに乗った。

 日本スケート連盟の小林芳子強化部長(61)は世界選手権に向け「三原さんは四大陸より重圧を感じると思う。そのなかでどんな演技をしてくれるのか。誰か一人が責任を背負うのではなく、樋口(新葉)さん(16=東京・日本橋女学館高)を含めた3人で分け合ってほしい」。三原自身が平昌五輪で江陵のリンクに戻るためにも、もう一度、大舞台でノーミスの演技を見せたいところだ。

☆みはら・まい=1999年8月22日生まれ。兵庫・神戸市出身。若年性特発性関節炎を乗り越えてのシニアデビューとなった今季はGPシリーズのスケートアメリカ3位、中国杯4位。昨年末の全日本選手権3位で出場権をつかんだ2月の四大陸選手権で初出場初優勝を果たした。自己ベストは四大陸でマークした200・85点。154センチ、A型。