【韓国・江陵発】フィギュアスケート四大陸選手権の女子は、三原舞依(17=神戸ポートアイランドク)が自身初の200点超えとなる合計200・85点で初優勝。平昌五輪の出場枠「3」獲得に向けて明るい材料となった。

 18日のフリーでは、SPに続きノーミスの演技を見せて4位からの逆転V。試合後は「1位の位置にいるのは信じられない」と語ったが、一夜明けた19日も「あまりまだ実感が湧いていない」と笑った。指導する中野園子コーチ(64)は「他のうまい選手がミスしただけ」と手厳しかったものの、着実な成長を示した。

 1か月後の世界選手権(フィンランド)には今大会をケガで欠場した宮原知子(18=関大)、今大会9位の樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)とともに出場する。3枠獲得の条件は上位2人の順位の合計が「13」以内。復帰戦となる宮原と経験の少ない若手2人とあって、不安の声も出ていたが、それをはね返す活躍を見せた。

 日本スケート連盟の小林芳子強化部長(61)は「世界選手権に出る3人にとってもちろん大きいし、私にもチャンスがあると感じる選手が増えれば、全体の底上げにつながる」と3枠獲得の重要性を強調。その上で「誰か一人に押し付けるわけではないけど、実績のある宮原選手は枠取りの責任を感じていると思う。三原選手の優勝で少し肩の荷を下ろしてくれれば」と相乗効果を期待する。

 三原のミスの少ない演技の原点は緊張感たっぷりの練習法。「試合前は別にして、うちでは練習でミスが出たら、その時点で曲を止めて、次の選手に行く。ノーミスでなければ、最後まで滑れない」(中野コーチ)。精神力を鍛えられたニューヒロインは枠取りのプレッシャーにも打ち勝てるか――。