【GPファイナルV4】羽生 時差対策だけじゃない平昌五輪“異空間”攻略法

2016年12月13日 11時00分

エキシビションでも華麗な演技を見せた羽生(ロイター)

【フランス・マルセイユ10日(日本時間11日)発】フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナルの男子フリーで、羽生結弦(22=ANA)は4回転ジャンプのミスなどがあり187・37点で3位にとどまったものの、ショートプログラム(SP)との合計293・90点で優勝。男女を通じて史上初の大会4連覇を達成した。これで期待が高まるのは2018年平昌五輪での2連覇。午前10時に競技開始が濃厚という“異空間”を攻略するべく、万全の態勢が敷かれる。

 羽生がまたも歴史を塗り替えた。世界のトップ6だけが出場を許される大会で史上初の4連覇を達成。4度の優勝も男子は過去、“皇帝”エフゲニー・プルシェンコ(34=ロシア)のみという快挙だ。

 フリーでは自らが望む演技ができず「演技自体にはやっぱり満足し切れない。フリー3位は非常に悔しい。自分の中では反省点だらけ」と苦い表情だったが、史上初の快挙には「結果についてはすごくうれしいと思う。SPとフリー合わせてのフィギュアスケートですから」と素直に喜んだ。

 平昌五輪のプレシーズンの今季も絶好調。がぜん、五輪2連覇が現実味を帯びてきた。一方で、気になるのが平昌五輪の“異常さ”だ。大会組織委員会が公開している日程案では、フィギュアスケートは各種目で午前10時に競技開始となっている。関係者が「今までに聞いたこともない」という異例の事態。変更の可能性も残されているが、五輪に巨額な放映権料を支払う米大手テレビ局「NBC」の意向が強く反映されており、これまでも批判を浴びながら変わることはなかった。今後も急転する可能性は低いとみられる。

 フィギュアスケートはどちらかといえば“夜型競技”だ。しかし今回は、場合によって夜明けから氷上で練習する“超朝型”が求められる。羽生のみならず、全選手にとって最大の課題。日本スケート連盟は「代表が決まり次第、合宿などで対応策を講じる」(伊東秀仁フィギュア部長)と、時差調整を進める方針を明かしている。

 さらに羽生にとって強い味方となるのが、その眠りを支援する寝具メーカー、「東京西川」の西川産業だ。同社は“企業秘密”を取り入れ、羽生の睡眠に全面協力するという。

「弊社には眠りやすい環境づくりに加え、起きやすい環境づくりについても独自のデータがあります。競技開始がどんな時間帯になっても、遠征先で睡眠コンディションを整えるあらゆることを全面的に支援いたします」(西川産業営業企画室)

 これまでもマットや枕に加え、寝る前の香りや音楽など環境面でもサポートしている。気持ちよく起きることでも効果的にバックアップを受けられれば心強い。
 今大会の
会見で海外の記者から前人未到の4回転アクセルについて質問が飛び「スケートを始めたころからの僕の夢。練習して、できれば競技会で披露したい」と宣言するほど、何事にも挑戦する姿勢を見せる。平昌の異空間も、チャレンジ精神で克服してしまいそうだ。