2020年欧州選手権女王のアリョーナ・コストルナヤ(18)が、ロシアの〝皇帝〟と称されるエフゲニー・プルシェンコ氏に対して〝性差別発言〟をしたとして大きな波紋を広げている。

 コストルナヤは名指導者として知られるエテリ・トゥトベリーゼ氏のもとから一時期プルシェンコ氏のチームに加入し、再びトゥトベリーゼ氏のチームに復帰した。

 この復帰について語る中で発した言葉が物議を醸している。

 ロシアメディア「チャンピオナット」のポッドキャストで「トゥトベリーゼへの復帰はどのように行われたのか? それは面白い状況ですね。私のコーチは誰だったか。マリーナ・エフゲニブナもエレーナ・ビアチェスラボブナもエテリ・トゥトベリーゼも女性だ。私は男性をコーチとして認めない。私は家父長制ではなく、人生経験や知識など他の何かをより頼りにしています」と語った。この発言が、コーチの能力を性別によって〝差別〟しているとして大騒動になっているのだ。

 ロシアのフィギュアスケート界でも議論を呼んでおり、大御所のタチアナ・タラソワ氏も参戦。「私はコストルナヤの意見に同意できない。フィギュアスケートのコーチを選ぶときは、プロとしての資質を考慮に入れる必要があり、男性か女性かは何の要素も持たない二次的な問題だ」と指導者は能力のみで判断されるべきであって、性別によって判断されるべきではないと苦言を呈した。

 そして「より高い結果を達成するために、彼女が現在どのコーチと一緒にいるかはそれほど重要ではない。彼女の願望と仕事がより重要になってくる」とコストルナヤを教える指導者に過度に目を向けることがないよう諫めた。

 人気スケーターによる性差別発言の余波はまだまだ広がりそうだ。