自信の表れか。15日、国際スケート連盟(ISU)は来季のグランプリ(GP)シリーズ出場選手を発表し、現役続行を決めたフィギュアスケート女子の浅田真央(24=中京大)は第3戦・中国杯(11月6~8日、北京)と第6戦・NHK杯(同27~29日、長野)に出場する。さまざまな考え方がある中で、真央はあえて強敵との対決を選択。この裏には陣営の勝算が見え隠れする。

 真央の2015―16年シーズンの日程が判明したことで、ライバルたちとの“直接対決”もいよいよカウントダウンに入った。中国杯では、今年3月の世界選手権で3位に入ったエレーナ・ラジオノワ(16=ロシア)といきなり激突。国内のライバル候補の筆頭で世界選手権銀メダルの宮原知子(17=関大高)とはNHK杯で顔を合わせる。真央の武器トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳ぶ世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワ(18=ロシア)とは対戦がないものの、GP戦合計ポイント上位6人が出場するGPファイナル(12月10~13日、バルセロナ)でぶつかる可能性がある。

 5月18日に現役続行を表明した当初、GP戦は回避の方向だった。真央は目標として「復帰前のレベルに戻したい」と高い目標を掲げ、出場試合を明言しなかった。「中途半端な状態で復帰し、周囲をがっかりさせるわけにはいかないということは、本人が一番分かっている」(真央をよく知る関係者)

 休養前の状態に戻るまで慎重に見極めて出場試合を模索したが、最終的に早期のGP戦出場を決めた。あるコーチによれば、真央の上をいく慎重派とみられた佐藤信夫コーチ(73)のほうが、このままいけばGP戦で戦えるレベルに戻ると早い段階から手応えを感じていたという。練習量が増え、体も早々に絞れたことで、GOサインも早まったのだ。

 現在、真央はカナダに渡り、新たなプログラム作りを行っている。完成度を高めるため、初戦をより遅い時期にし、2戦目まで間隔を空けられる今回の日程はベスト。しかも移動距離が短く、体力面での消耗の心配も少ない。世界のフィギュアスケートファンが注目する国際舞台で、真央がどんな演技をするのか。アクセル全開の復活となりそうだ。