ロシアの元陸上選手でスポーツの有名評論家として知られるヨランダ・チェン氏(60)が、同国選手が不在となった世界選手権で優勝した日本の坂本花織(シスメックス)に痛烈な皮肉を浴びせた。

 ウクライナ侵攻に対するスポーツ界の制裁により、ロシア勢は3月に行われた世界選手権で出場禁止となった。ロシアメディア「19RUS」は、同国選手の排除についてチェン氏の見解を報じた。

「海外の連盟や団体、選手たちは、ロシア人がいないと競技が面白くなく、強者同士のシ烈な争いが起きないことを理解していないのでしょうか」との質問に対してチェン氏は「そんなことは感じていないのだろう。彼らは、自分たちのアスリートを見ることに興味があるのです。その恩恵を受けている人もいるくらいだ」と指摘。その端緒な例として坂本を挙げた。

「例えば、今フィギュアスケートの世界選手権で、日本人が優勝している。ロシアの選手たちに勝てるわけがない。(ロシア勢が出ていれば)坂本花織は、いつ世界チャンピオンになれたのだろうか? メダルももらえるし、お金ももらえるし、とてもいい気分なのだろう。今はその感覚を楽しんでいるようだ」と坂本の優勝は〝仮〟のものだと皮肉を交えて批判し、ロシア勢を復帰させようとしないスポーツ界を糾弾した。

 ロシアのスポーツ界では国際大会から除外されていることに対して不満が高まっているようだ。