フィギュアスケートの世界選手権(フランス・モンペリエ)のアイスダンスは26日(日本時間27日)にフリーダンスが行われ、〝かなだい〟こと村元哉中(29)高橋大輔(36=関大KFSC)は96・48点をマーク。合計164・25点とし、銀メダルを獲得した四大陸選手権の181・91点には及ばなかったが、世界の舞台で結成2年目の進化を十分に見せつけた。

 日本の伝統曲「ソーラン節&琴」のリズムダンス(RD)とは打って変わり、この日はクラシックバレエ「ラ・バヤデール」の世界観を体現した。昨季から引き継いだプログラムだけに序盤から息はピッタリ。RDでミスが出たツイズルもきっちりこなし、ローテーショナルリフトも華麗に決めた。曲が変調した後もリズミカルな動きを見せ、フィニッシュでは2人とも笑顔を見せた。

 スタンドには日の丸を掲げるファンも大勢。シングル時代に何度も世界を取った「ダイスケ・タカハシ」に対し、海外ファンもスタンディングオベーションで拍手を送った。

 試合後、村元は「ホント全てに関して成長できたと実感しています。この世界選手権で技術面はミスが多かったけど、パフォーマンス、お客さんに何かを伝える部分では成長できた」、高橋は「僕はゼロからのスタートだったので成長しかなかった。先シーズンはアイスダンサーという実感はなかったけど、今シーズンやっとアイスダンサーになれたのかな」と満足げに話した。

 記者団から「来季も続行か?」と質問が飛ぶと、村元は笑顔で「まだ決めてはいません」。高橋は「とりあえず世界選手権終わったばかりで。ちょっと2年間、突っ走ってきたので、少し気持ちにバケーション(休息)をあげて、その後しっかり考えていきたい」と話すにとどめたが、その一方で「お互いの未来にすごくつながる世界選手権だった」「ポテンシャルとしては100%ではない」「まだ成長過程だと思っています」と来季続行をにおわす言葉もあった。

 激動の2季目を終えた〝かなだい〟。果たして、来季はどうなるか。