ロシアフィギュアスケート界の名指導者であるタチアナ・タラソワ氏(75)が、世界選手権(フランス・モンペリエ)の女子シングルで金メダルを獲得した坂本花織(シスメックス)について〝物言い〟をつけた。

 ロシアメディア「スポーツエクスプレス」によると、タラソワ氏は坂本の結果を受けて「彼ら(出場選手)の中では一番優れていただけです。彼女たち(ロシア勢)がいなければ、本当の勝利とは言えないでしょう」と真の勝者でないと決めつけた。ロシアのウクライナ侵攻で、フィギュア界をけん引する北京五輪金メダルのアンナ・シェルバコワ(17)や同銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ(17)といった同国勢が出場禁止となっていることを踏まての不満だった。

 タラソワ氏はショートプログラムで坂本が首位発進した時も、ロシアメディア「RBCスポーツ」によると「彼女はすべてきれいにこなしたが、20年前のスケートだ。彼女は最高難度の要素を持っていなかったし、うちの子たちは技術的な完成度が常に進化している。どこでも1位になることは間違いないでしょう。日本人はよく滑ったけど、間違いなく最高レベルではない」と酷評。今回のような世界選手権では、何かを言わずにはいられない心境のようだ。