ライバルはあの2人――。フィギュアスケートの世界選手権(フランス・モンペリエ)の男子ショートプログラム(SP)が24日に行われ、北京五輪銅メダルの宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が自己ベストで世界歴代3位となる109・63点をマークし、首位発進を決めた。

 冒頭の4回転フリップ、続く4―3回転の連続トーループ、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と全てのジャンプが完璧。試合後は「あまり高望みはしていませんでしたが、練習通りの演技ができたことに今はすごくうれしく思います」と充実の表情を浮かべた。

 今大会は北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)、北京五輪4位で元世界王者の羽生結弦(ANA)が欠場。〝両巨頭〟がいない中、初の金メダルに王手をかけた宇野は「結果にとらわれたくないって言ったのに、一番とらわれた時期があった。その日々はつらかった」と過去を回想しつつ、SP2位発進の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ・星槎)の名前を挙げて「このまま現状維持ならすぐに追い抜かされる。本当に優真くんの影響が大きい」と特別な存在であることを明かした。

 さらに宇野は「今、一番目標にしているのはネーサン・チェン選手。一番難しい構成をやっている選手が一番安定している。一人やれているってことは僕も必ずやれる」。2人の男に刺激をもらい、さらなる成長を目指す。