ロシアフィギュアスケート界の名指導者として知られるタチアナ・タラソワ氏(75)が、世界選手権の女子ショートプログラム(SP)で首位に立った日本の坂本花織(シスメックス)を酷評した。

 坂本は会心の演技で自己ベストを更新する80・32点で首位発進した。悲願の金メダルへ向けて期待が高まる中、ロシアの重鎮が思わぬ冷や水を浴びせた。

 ロシアメディア「RBCスポーツ」は、タラソワ氏による坂本の演技に対する論評を報道。フィギュアスケート界のご意見番は「今回滑った中では、日本の女の子が一番上手かった」と一定の評価をしつつも「でも、もし〝うちの子たち〟がリンクに出てきていたら、彼女が1位を取るチャンスはなかったでしょうね」とウクライナ侵攻によるスポーツ界の制裁で今大会を除外されたロシア勢と比べて〝格下〟と厳しい見解を示した。

 さらに坂本の演技について「彼女はすべてきれいにこなしたが、20年前のスケートだ。彼女は最高難度の要素を持っていなかったし、うちの子たちは技術的な完成度が常に進化している。どこでも1位になることは間違いないでしょう。日本人はよく滑ったけど、間違いなく最高レベルではない」とバッサリ斬り捨てた。

 日本の浅田真央や荒川静香なども指導した知日派の名伯楽として知られるタラソワ氏による厳しい言葉。坂本にはフリーで低評価を見返す会心の演技を期待したいところだ。