日本の重鎮が猛反論だ。フィギュアスケート世界選手権(フランス・モンペリエ)の女子ショートプログラム(SP)が23日に行われ、北京五輪銅メダルの坂本花織(21=シスメックス)が80・32の高得点で首位発進。女子史上7人目の80点台をマークし「今日はすごくスピードにも乗れていた。自分ができるベストな演技。すごく満足しています」と笑顔を見せた。

 今大会はフィギュア大国のロシアがウクライナへの軍事侵攻のため除外。女子シングルでは北京五輪金メダルのアンナ・シェルバコワ、銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ、4位のカミラ・ワリエワらが不在となり、ロシアメディアは「史上最も退屈な大会だ」「競技レベルが非常に低い」などと酷評している。

 これに対し、元国際審判員の杉田秀男氏は「過去にも優勝候補がケガで欠場したことがあった。ロシアがいなくて格落ちの大会と言われているが、それは別の話」と真っ向から反論。首位に立った坂本に対しては「どんな状況であれ、優勝すれば歴史に名を刻む。正真正銘の優勝です」と言い切った。

 日本の競技関係者からも「どんなにいい結果を出しても『ロシアがいないから』って言われてかわいそう」と〝棚ボタ〟の印象を悲観的にとらえる声も上がるが、杉田氏は「堂々としていればいい」と出場選手にエールを送った。

 ペアのショートプログラム(SP)で三浦璃来(20)、木原龍一組(29=木下グループ)は71・58点で3位となり、日本人同士のコンビで初のメダル獲得に前進した。今大会はロシアと中国が出場せず、北京五輪の上位5組が不在。木原は「どの国が出ないかは関係なかった。フリーも楽しんで滑りたい」とし、三浦も「目標の2人とも笑顔で終わることができたので良かった」と語った。