再び世界を魅了する。北京五輪フィギュアスケート男子4位の羽生結弦(27=ANA)が18日、エキシビション(20日)へ向けて会場の首都体育館近くのサブリンクで調整した。約40分の練習で過去に演じたプログラム「ホープ&レガシー」「バラード第1番」「秋によせて」「SEIMEI」など計9曲を披露。演技を終えると、大会ボランティアやスタッフからは大きな拍手が送られた。

 その後、羽生は報道陣の取材に応じ「僕が今までのスケート人生の中で〝落とし物〟してきたものを全部やろうと。自己満足かもしれないですけど、自分の中でやりきれたなって思いました。(SEIMEIは)今でも平昌(五輪)の最後のステップの瞬間は絶対に忘れてないですし、あれは一生忘れないと思います」と練習に込めた思いを明かした。

 今大会は人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦。国際スケート連盟(ISU)にジャンプの種類として認定されたものの成功には至らず、3連覇を逃した。それでも、未知の領域に果敢に挑んだ姿はファンの心をつかみ、フィギュア界でも高い評価を受けている。

 元全日本選手権4連覇王者の小川勝氏は「彼は挑戦の舞台として全世界が注目する五輪を選んだ。金メダルだけではなく、4回転半というロマンを追究することが自分の使命だと感じたのでしょう。僕はそれこそが五輪だと思います」と称賛した。エキシビションの演技も、世界の注目を集めることになりそうだ。