北京五輪のフィギュアスケート男子フリー(8日、首都体育館)でクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦した羽生結弦(27=ANA)に、ファンの聖地として知られる「羽生天神社」(宮城県大郷町)の岡公市宮司が感謝の思いを本紙に明かした。

 神社の名前に「羽生」が入っていることから、多くのファンが羽生を応援しようと、同神社を参拝してきた。岡宮司によると、8日のショートプログラム(SP)後もファンが訪れ、この日のフリー前には10人ほどのファンが願いを送ったという。

 ファンの思いを胸にリンクへ立った羽生。クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)は転倒したものの、国際スケート連盟(ISU)公認大会で、初めて「4A」が認定された。岡宮司は「最初はお疲れさまでしたというのが一番ですね。やっぱりファンの人たちも納得した演技だったと思います。ジャンプは失敗しましたけど、やっぱり全体の流れを見ると世界一ですよね。礼儀正しいですし、素晴らしい選手だなと思いました」と神妙に語った。

 前回の平昌五輪後から習得を目指してきたクワッドアクセル。成功まであと一歩と迫ったことから「羽生選手の考えがあると思いますが…」と前置きした上で「欲を言えばやっぱり4Aをしっかり着氷するところが見たいのはあります。いろんなメダルは取っているので、4Aだけは欲を言えばですけど、見たい気はしますね」と期待を込めた。

 今後の進退は羽生次第だが、多く人々の心を動かす演技はさすがといったところ。4年間の思いはファンに届いたはずだ。