8日に首都体育館で行われた北京五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で、宇野昌磨(24=トヨタ自動車)は105・90点で3位につけた。〝バブル下〟の制約もプラスに変え、2大会連続メダルを狙う

 またしても自分を超えてきた。宇野は冒頭の4回転フリップを成功させると、4―3回転の連続トーループは手をつきながらも着氷した。団体戦(4日)の男子SPで取りこぼしのあったスピン、ステップも見事に修正し、自己ベストを記録。「ベストが出たのは驚きでしたが、成功したジャンプがすべて自分の中で納得のいく良いジャンプだったと思います」と振り返った。

 北京五輪は徹底したバブル方式で、多くの制限を強いられている。しかし、フィギュア関係者から「フィギュアよりゲームが好きじゃないですか」との声も飛び出すほどのゲーム好きとして知られている宇野に、影響はなさそうだ。同関係者は「お母さんから邪魔されなかったので、(4年前の)平昌五輪では選手村でゲームを堪能していたみたいです」と証言。自由に行動ができない北京五輪はゲーム愛を発揮するのにもってこいの環境で、リラックスが可能だ。

 孤独との戦いも知っている。「何かを変えなければ」と2019~20年シーズンは専属コーチ不在で挑んだ。結果的に苦しい1年となったものの「いろんな環境でいろんな経験をしてきた」と確かな学びを得た。現在、指導を受けるステファン・ランビエル・コーチが団体戦で不在となっても、見事な演技を披露。過去の経験を生かし、しっかりと対処してみせた。

 10日のフリーでは2大会連続のメダルに期待がかかる。「自分の気持ちに負けずに、ちゃんといつも通りの自分を出すこと」。最後まで自分らしさを貫く。