フィギュアスケート男子で五輪3連覇を目指す羽生結弦(27=ANA)の最大のライバルが確かな手応えを口にした。

 北京五輪のフィギュアスケート団体(4日、首都体育館)の男子ショートプログラム(SP)に出場した世界王者ネーサン・チェン(22=米国)は、冒頭の4回転フリップなど全てのジャンプを見事に着氷。2020年2月の四大陸選手権で羽生がマークした111・82点の世界最高点にはわずかに届かなかったが、111・71点で首位発進を決め、チームに勢いをもたらした。

 まさかの結果に終わった平昌五輪から4年。演技後には「自分の役割を果たし、できる限りいいスケートができたので満足している」と納得の表情。その上で、個人戦の前に実戦を経験できた点について「このように演技をできるのはいいこと。いい悪いかに関係なく、それぞれの練習から何を得られるかは試合でも同じです」と振り返った。

 団体の男子フリーへの出場は「はっきりわからないし、なんとも言えない」と濁しながらも「間違いなくメダルを獲得できるだろう。何色か言うのは難しいですが、私はチームメイトを信頼しているし、彼らができる限りのことをやってくれると信じている」と不敵な笑みを浮かべた。

 個人戦を前に、自信を得たチェン。勢いそのまま、羽生との大一番に挑む覚悟だ。