フィギュアスケートの全日本選手権を制して北京五輪代表に内定した羽生結弦(27=ANA)が〝大偉業〟への思いを口にした。

 2014年ソチ大会、18年平昌大会で金メダルを獲得。今回の北京大会でも頂点に立てば、男子では94年ぶりの快挙となる。27日の一夜明け会見では「自分はやっぱり2連覇っていうものを既に持っていて、それを失うことは確かに怖い。負ける確率の方が間違いなく平昌五輪より高いと思います。今のところは」と複雑な胸中を明かした。

 ただ、26日の代表発表会見で気持ちが大きく変化したという。「このユニホーム(日本代表のジャージー)を着た時に、これは勝ちにいくんだな、勝ちにいかなきゃいけないんだなって。何か改めて思わせていただいた」と決意を固めた。

 あえて言葉にしたのにはワケがある。「僕自身ずっとここまで競技をやってきて、有言実行を絶対したいなっていうふうに思ってきた。ある意味、自分の言葉が鎖だったり、プレッシャーだったりはする。それがあるからこそ、僕は絶対にそれを達成したいってずっと思い続けられる」。あえて退路を断ち、北京五輪への覚悟を示したのだ。

「五輪ってやっぱり発表会じゃない。やっぱ勝たなきゃいけない場所なんですよ。僕にとっては。やっぱり2連覇してることもあるので、2連覇は絶対失いたくないし、だからこそ、また強く決意を持って、絶対に勝ちたい」

 何度も不可能を可能に変えてきた羽生。北京の地でもまた1つドラマを生み出すつもりだ。