“神の領域”羽生結弦 心配な「ここで降りたら満足」発言…北京で見納め危惧

2021年12月25日 05時15分

異次元演技を見せた羽生結弦(東スポWeb)
異次元演技を見せた羽生結弦(東スポWeb)

 王者の行く末は――。フィギュアスケート五輪2連覇の羽生結弦(27=ANA)が全日本選手権(24日、さいたまスーパーアリーナ)の男子ショートプログラム(SP)で111・31点のハイスコアをマークし、堂々の首位発進。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、ネーサン・チェン(米国)が記録した106・72点の今季世界最高得点を上回った。26日のフリーではクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦予定。ところが〝神の領域〟に近づけば近づくほど、頭を悩ます人たちも存在する。 

 主役が銀盤に帰ってきた。「右足関節靭帯損傷」を乗り越え、252日ぶりとなった実戦。新曲「序奏とロンド・カプリチオーソ」のリズムに合わせ、3つのジャンプを全て着氷。「4A(クワッドアクセル)をやってきたこともあって、他のジャンプも昨季の世界選手権と違って、しっかり練習できたので、土壇場で生きてくれた」と納得の表情を浮かべた。

 男子で唯一スーパースラム(主要国際大会6冠)を達成するなど、歴史に名を刻んだスケーターは実力はもちろん、人気も絶大だ。新型コロナウイルス禍以前は羽生の姿をひと目見ようと、いつも試合会場は満員御礼。選手用の出入り口付近には、人だかりができていたほどだ。

 しかし、22日の会見でクワッドアクセルへの思いについて「ここ(今大会)で降りちゃったら、満足するのかもしれない」と本音を吐露。北京五輪を目指すことを表明した一方で、一部のファンからは「北京で思うようにやりきれたら引退してしまうのかな」「4Aを成功させたら辞めちゃうだろうな」などと動揺が広がっている。

 長年にわたって競技を引っ張ってきただけに、フィギュア界のみならず、スピードスケート界からも「ポスト羽生時代」を懸念する声が上がっている。ある関係者は「今のスケ連(日本スケート連盟)は羽生選手のおかげで黒字を守ることができている。羽生選手が出場すると国内大会でも高いチケットから売れていきますしね」と明かす。

 さらに、羽生がいることで安定した収益を得られることから「スピードスケートやショートトラックにもお金を回すことができるので、羽生選手がいなくなったらどうしましょうね」と今から心配顔。羽生の〝偉大さ〟は、フィギュア界の枠組みを優に超えているということだ。

 フリーでクワッドアクセルに成功すれば、人類初の快挙となる。羽生は「まずは公式練習、最後の最後までケガをしないように気をつけながら普段通りいけるように、体の回復と集中力を高めながらフリーに向けて頑張りたい。この試合で4Aをちゃんと決めきれるように、一つひとつ練習したい」。かねて目標にしてきたクワッドアクセルを決めた時、次はいったいどんな道へ進むのだろうか。

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